街の音はこんなにおもしろい 文学館のギャラリートーク


literarygallery.jpg 街を歩くと聞こえてくる、聞き覚えのあるフレーズやメロディー。小樽市民なら誰でも聞いたことのある街頭放送について、1月28日(土)13:30から、文学館のギャラリートーク「街の音はこんなにおもしろい」が開かれた。
 小樽文学館(色内1)は、現在、「街の色、街の音、街の人人展」を開催中。この企画展を監修した、まち文化研究所の塚田敏信氏が講師を務めた。
 市内や札幌より28名が参加し、実際に街頭放送を聞きながら、まつわるエピソードや昔のなつかしい画像と照らし合わせ、小樽の歴史を振り返った。
 塚田氏は「今回の企画展は、色、音、人とあるが、ベースになっているのは音である。音を展示する事は難しい。そこで、街頭放送に触れ、街と人と場所を結びつけている。北海道時事放声社の森本さんに、2年前から話しを聞き、情報を集めてきた。小樽が民間放送の免許申請第1号だと、知られていないことが今回の入り口となった」と話す。
 企画展会場では、北海道時事放声社から借りたスタジオ内の様子を再現し展示している。「昭和22年、北海道時事放声社を設立。平成5年には、北海道に17社の街頭放送があった。とても身近なもので、コマーシャルの手段として、効率が良かった。当時は、演歌歌手が来て曲を流し、人気に火がついたこともあったと言う。イベントにも関わり、全後志歌謡コンクールや祭の運営の中心となり、文化活動にも寄与していた」
 「あまとう」・「六美」・「花月堂」と、次々と街頭放送が会場に流れた。小樽市総合博物館の所蔵の画像と音を組み合わせながら聞いた。
 「小樽の花月堂で菓子職人の修行をした人が多く、北海道のお菓子は小樽にポイントがあり、流れの中心であった。画像からは時代背景や情報を読み取ることができる。1982年代では105の音があり、「バックのムラタ」・「家具の州和」・「若草パチンコ」、1980年代は、地元のパチンコ店が多かった。
 国民年金の放送では、『本当に明るい国づくり』と歌っている。ぺキー葉山さんも『年金さん、年金さん・・・』と歌い、時代性がある。都通りにアーケードが出来た頃には、都はるみと杉良太郎が都通り商店街音頭を歌っている。現在のこの業界での大きなスポンサーは、大手パチンコ店で、いろいろなバージョンが届き、新しい音作りの実験となり、最先端のスポンサーと言われている」と話した。
 塚田氏が気に入ったものには、「キャバレーモンパリ」の街頭放送で、最後には求人広告を歌っている。小樽の街の当時の華やかさがうかがえる。
 市内の女性は「いつの間にか耳に慣れ、気にならなくなり、聞こえてくる曲を口ずさんでいる。今日もここへ来る時に『あまとう』の放送が聞こえてきた。この講座に参加して、なつかしく思い出され面白かった」と感想を述べた。
 塚田氏は「街の財産を多くの方が再認識されて良かった。ほんの小さなものでも色々なところに魅力があり、財産であり、再発見してもらいたい。新しいものへ流れがちだが、前からあるものにヒントがあり、面白い考えに繋げていきたい。音だけではなく、何かひとつを追っていくと自分だけの世界に出会える」と話した。