2012年初せり 市場内に威勢の良い声響く



 平成24年度小樽市公設青果地方卸売市場(有幌1・伊藤進代表取締役)の初せりが、1月5日(木)07:15から、市場1階卸売場で開かれ、威勢の良い掛け声が飛び交った。
 市場開設者の中松義治市長をはじめ、道議・市議、せり人など関係者・約50人が集まり、初せり式を行った。
 中松市長は、「卸売市場は、日常生活に欠かすことの出来ない生鮮食料品を、安定的に供給する役割を担うとともに、生産者にとっては、身近で安定した出荷先となっている。また、小売業者にとっても多種多様な品目を大量かつ安定的に購入することができる仕入先として、これからも地域の生鮮食料品の流通の要としての役割を果たしていると考えおり、協力をいただきながら、なお一層当市場の健全な運営に努めていきたい。
 昨年の震災の影響だけでなく、異常気象による天候不順の影響も加わり、市場関係者は、大変苦労されたと思うが、今後も生鮮食料品の衛生管理や安定的な供給の確保と安定経路の確立を目指していただきたい」と挨拶。
 樽一小樽中央青果株式会社・伊藤進代表取締役は、「昨年の東日本大震災による原発事故の発生により、放射能による様々な農産物への影響があり、国からの食品摂取及び出荷の是正、出荷制御と大きな打撃を受けた。昨今の異常気象などにより市場のバランスが崩れ、円高により海外の農産物が贅沢に出回り、農家の生産意欲が低下、食料自給率の低下を招いた。特に第1次産業が多い北海道においては、大きな打撃に繋がる。市場を取り巻く環境は不透明を増している。札幌市場との連携により、地域の卸として生き残り、産地を支え、個性を発揮する環境が整っているが、厳しい環境でもあり、今年も市民並びに、後志管内の消費者の皆さんに安心で安全な生活を安定的に届けたい」と述べた。
 同青果・販売部青果担当・櫛引千昭次長により、3本手締めが行われ、気合を入れて初せりが始まった。箱積みされた野菜を囲み、競り人の威勢の良い声が、寒い場内に響いていた。
 同青果の渡辺さんは、「昨年の3.11の影響がまだ残り、風評被害がある。安心・安全に消費者に提供できるようにしていきたい」と話した。