小樽で一番早い祭り「招魂祭」開催



 第67回招魂祭が、5月14日(月)・15日(火)の2日間、小樽公園(花園5)顕誠塔前広場で開かれた。主催は小樽顕誠会。
 郷土の発展に尽くし亡くなった平成24年度の合祀者17名を含む、既合祀者・郷土功労者4,615名を慰霊する。
 15日は、あいにくの雨の中、11:00より本祭が行われ、来賓・遺族、関係者100名以上が集まり、戦死者や郷土功労者を合祀した。
 小樽顕誠会・赤石欽司会長は「合祀された方々は、身命を祖国のために捧げ、または郷土のため、社会福祉、防災、教育文化、産業経済、医療など、多方面にわたり、振興発展に犠牲的奉仕の誠を尽くし、実践活動して小樽市に貢献された。偉大なる足跡は、長く後世の模範とする。終戦の荒廃より立ち直り、世界の経済大国となる国家を建設できたことは、これ一重に諸兄諸子の偉業の賜物であり、市民は、国家郷土の振興発展に尽くし、世界の平和に寄与することを誓う」と祭詞を述べた。
 中松義治市長は「いつの時代であっても人間性豊かで活気に溢れ、うるおいある街づくりに積極的に取り組み、市民は生きがいと誇りを持てる郷土小樽を作ることが、諸先輩のご労苦に報いる唯一の道であると信じ、その実現に向けて努力を重ねてきた。本当の豊かさのあり方が問われる中で、今から進むべき道も険しく困難である。決意を新たにし、あなた方が築いた偉大な歴史と伝統を踏まえ、郷土小樽の輝かしい未来を築くため、知恵を出し合い努力を重ねる所存である。郷土小樽の繁栄と平安をご照覧ご加護ください。戦没者ならびに郷土功労者の御霊がとこしえに安らかんことを祈ります」と慰霊のことばを述べた。その後、玉串奉奠が出席者全員で行われた。
 11:00から、日本詩吟学院岳風会小樽支部岳船会10名が、奉納吟「小樽功労者の魂に捧ぐ」が披露された。
 顕誠塔は、1923(大正12)年に建立。日露戦争終戦後、生還将士から戦死した友の御霊を慰霊したいとの申し出があり、18年かけて完成させた。翌年から招魂祭が始まり、小樽の一番早い祭りとして賑わいを見せていたという。昭和20年からは、郷土小樽市に貢献のあった人々を合祀することとし、現在に至っている。

 招魂祭奉納行事として毎年開かれている、華道家元池坊小樽支部15名の作品を展示する「招魂祭奉納花展」が、小樽市公会堂(花園5)で14日と15日の2日間開かれた。
 生け花を始めて30年以上の吉本美代子さんは「春の花を意識して、落ち着いた色合いの花を季節にあわせ考え、招魂祭ということで心を込めて生けた作品ばかり。5月の花の菖蒲を祈りを込めて生けた」と話していた。