日食を安全に観察しよう 市総合博物館で講習会


solarseminar2.jpg 5月21日(月)の朝に起きる部分日食の観察を安全に行うために、小樽市総合博物館(手宮1)では、5月19日(土)13:30から2階研修室で「部分日食を安全に観察するために」と題する講習会を開き、同館・大鐘卓哉学芸員が講師を務めた。
 国内での金環日食は、1987年9月に沖縄で見られて以来25年ぶりで、各地で話題を呼んでいる。小樽での8割以上欠けた部分日食は、1981年7月以来で、多くの市民が期待を寄せている。
 日食は、月が太陽を隠す現象で、小樽では、6:33に食が始まり、7:49に最大で食分0.834となり、9:17に終わる。小樽では83%が欠ける部分日食が見られる世紀の天体ショーとなる。
 安全な方法で観察するために、肉眼や下敷・フィルム・サングラスなどで太陽を見ないように、注意を呼びかけている。日食メガネを使用することを勧め、同館の日食メガネ作り講習会には多くの市民が参加していた。同館の売店でも販売していたが、19日には完売し、品切れ状態となっている。
solarseminar3.jpg 「日食メガネは、安全なものを使用し、可視光が減光されても紫外線や赤外線の数値は減っていないものがあるので注意する。日食観察安全基準は、減光度13以上で、基準に合っているものを使う。メガネの使い方は、太陽の方向に体を向け、地面を向いた状態からメガネを当て、見上げることを勧めている。日食メガネで望遠鏡を覗かないこと。いずれも観察は短時間にする。雲りの日でも太陽を見る時は、日食メガネを使用し、曇りの日の方が、日食網膜症になりやすいので注意する。日食網膜症は、当日や後日症状が現れ、網膜に傷がついたり、視力低下や視野全体が、もやがかった状態に見えることがある」と説明した。
 「間接的に観察する方法として、天体望遠鏡から投影してみる方法や、ピンホール、木漏れ日、身近なザルや穴の開いたお玉を通して見る方法や、鏡を反射させても楽しむことができる」と説明。実際に2階テラスに出て、観察方法が紹介され、日食メガネを実際に使用して正しい使い方を学んだ。
 講義の途中には、プラネタリウムで、小樽での21日の部分日食や2030年の金環日食を再現した。平安時代の平氏と源氏が見た日食の話のアニメーションも放映された。
 今後の小樽での日食は、2016年に3月に食分0.122の部分日食があり、金環日食は、2030年6月1日の午後5時頃、西空に見ることができる。
 市内男性は「昔、小学生の頃、ガラスにロウソクの煤をつけたもので見て以来である。日食を見る機会がなかったが、今年は、孫と一緒に日食を見ようと思い参加した」と話した。
 大鐘学芸員は「直接太陽を覗くだけではなく、木漏れ日やピンホールを使って観察してみてください。より安全な安心な観察をし、思い出にしてください」と話した。
 同館では、日食時が通学時間帯と重なり、道路上などでの観察は危険なため、登校時の配慮を呼びかけている。当日は、朝の観望会「部分日食を観察しよう」が、6:30から同館正面玄関前広場で開かれる。太陽投影方や反射法など安全な方法での観察会を予定している。
 部分日食でなく、金環日食をリアルタイムで見るには、ネット中継が便利だ。
 [金環日食ライブ中継]
 国立天文台チャンネル
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