アイアンホース号の定整備方法紹介 小樽市総合博物館


ironhosekouza1.jpg 小樽市総合博物館(手宮1・青木良英館長)では、同館の指導員や学芸員が、小樽の歴史や自然、科学などについて話題を提供するミュージアム・ラウンジを、毎月開いている。
 7月16日(月)10:30から、同館2階研修室で「アイアンホース号の定期整備」と題して、アイアンホース号運行整備等を担当する伊藤公裕氏が講師役を務め講座が開かれた。連休とあって家族連れなど40人が参加した。
 アイアンホース号は、1909年にアメリカのポーター社で製造され、グアテマラで使用されていた蒸気機関車で、1993年から同館で動態保存されている。現在、土・日・祝日は1日4回、平日は3回の運行。館内にある北海道鉄道発祥の地の片道200mを往復するのが、多くの人々に親しまれている。
ironhosekouza2.jpg スタッフ6名が、機関士、機関士助手、車掌を交替で運行し、安全運行のために、毎月1度定期整備が行われている。蒸気機関車の運行には大事な仕事のひとつである整備の様子を知ってもらおうと開かれた。
 ボイラーの熱を冷やすために、月曜日に運休し、同館定休日の火曜日に定期整備が行われる。煙菅の清掃・洗缶作業・暖気運転の3つが行われる。高熱の燃焼ガスを通して水を加熱し蒸気を発生させるために使われている煙管の内部にたまった煤を、専用のブラシで1本1本かき出す作業の様子が動画で紹介された。
 また、ボイラー内部や煙菅外部の錆、水に溶け込んでいる不純物などを洗い流すために行われる洗缶作業と、定期整備を終えた後の暖気運転(予備運転)を行い、翌日の運行に備えるなど、日頃から点検し、安全に運行できるように気を配っていると説明した。ironhosekouza3.jpg
 その後、アイアンホース号前で参加者からの活発な質問が飛び交い、11:30の便に乗車し走行を楽しんだ。
 NPO法人北海道鉄道文化保存会の男性は「アイアンホースに大変興味があり参加した。いろいろ質問し知らなかったことがよく分った。100年前に作られた蒸気機関車が、今でも走っていることはすごいと思う」と話した。
 3連休の最終日、アイアンホースには沢山の家族連れが乗車し、各便120人を越える人気ぶりで、多くの人が休日を楽しんでいた。