"傘寿を記念" 日向良子個展開く


hinata1.jpg 傘寿を記念して、日向良子個展が、7月4日(水)〜8日(日)まで、立小樽美術館(色内1)市民ギャラリー、多目的ホールで開かれている。
 同館1階のすべてを使用し、10年以内の作品を中心に、以前に描き、気に入った作品や愛着のある作品、油彩画60点と植物画(水彩)24点を展示している。この見応えのある個展に、多くの来館者が訪れ、絵画を楽しんでいた。
 10年前にも個展を開催していたが、80歳の傘寿の祝いに、是非、個展を開こうと計画し、夢が実現した。日向さんは、植物が好きで、山草愛好会に所属し、気候の良い季節に、山を登り歩き、風景を観たり、時には、山菜を食べ、その時の風景などを描いてきた。
 会場の正面に100号の力作2点を並べ、「運河の陽だまり」という作品は、晩秋の運河にぽつんと日が当たり、明るく温かさを感じさせ、見る人にも伝わるように描いた。「時代(とき)は移ろいで」と題しての作品は、旧手宮線の朽ちた壁を自分に重ね、遠くに見えるビルを子ども達に例え、時代の移り変わりを受け入れられる思いを秘めて描いていると説明した。
hinata2.jpg 植物画(水彩)24点は、植物図鑑を見ているように細かく正確に描かれている。細かい作業で、草花が枯れてしまうほど時間がかかっていて、ハマナス・エゾアジサイ・ナナカマドなど、どれも実物を思わせる巧妙な筆遣いに感心させられる
 日向さんは「やっとここまで漕ぎ着けた。絵の仲間や家族にお世話になり感謝している。絵は、自分自身をさらけ出すため、恥ずかしく思う」と控えめに語った。
 市内に住む70歳代男性・木谷さんは「色彩が深く、それぞれの絵から光を感じる。冬の流氷の絵からも光を感じ、いきいきとしている。運河の構図も捉え方が違い、レンガの温かい色使いに驚く。ボタニカルアート植物画は、あるがままの姿を精密に描き、図鑑のように素晴らしい。めったにない作品展で、小樽では初めて見た」と感心していた。
 「日向良子個展」7月4日(水)〜8日(日) 10:00〜17:00(最終日〜16:00)