青少年のための科学の祭典 37ブースで賑わう 総合博物館

 2012青少年のための科学の祭典小樽大会が、8月8日(水)と9日(木)の2日間、小樽市総合博物館 (手宮1)で開かれている。今年で6年目、11回目の開催となっている。
 出展内容は、科学に関するもので、体験教室や製作教室、工作、演示実験など。1日目は37ブースが出展。小中高、大学の教育関係者や学生、企業の関係者130名が各ブースを担当し、講演や実演をした。担当の同館中野仁学芸員は「毎年関心を持ち広がっている。科学の普及をメインとしているが、情報を交換し、教育現場に持ち帰ってもらいたい。中学生が多く参加している」と話した。
 正面玄関前では、おたるエコの会による「お日様パワーでクッキング」を開き、太陽光を反射板などで集め、太陽のエネルギーを体感した。熱は90℃以上にもなり、ジャガイモは1時間半、さつまいもは2時間ほどで柔らかくなり、食べることができる。目玉焼きも試された。
 初出展のテンセグリティは、潮見台小学校と手宮小学校が担当。溝がついた割り箸ほどの太さの木6本と輪ゴムを使い組み立て建築の基本形となる。輪ゴムと木の棒がそれぞれ引っ張る力と圧縮する力、このふたつの力によってちょうど良い均衡を保つことができ、崩れることなく立体のままでいられる。
 CISEネットは初出展で、札幌周辺地域の教育施設が連携し、地域住民への実物科学教育を進めるネットワークで、その主となる活動のひとつがトランクキット。今回は、ヒグマのトランクキットが用意され、子ども達は本物の熊の毛皮や足などに触れていた。現在小樽エリアでは同館やおたる水族館が加入している。
 NPO法人北海道職人義塾大学校では、浮き玉の網掛けを1日30個用意し、4回に分け整理券を配布した。2日間で60個を用意している。
 発泡スチロールで分子模型を作ろうが気に入った色内小学校3年生小林麟太郎君は「楽しかった」と話し、母は「どれも興味深く、子ども達が夢中になった」と満足していた。
 西陵中学校科学部初出展の「巨大シャボン玉に入ろう」は、初日は70人が体験し人気のブースとなった。同校科学部9人が、子どもにカッパを着せたり、しゃぼん玉液をつけた輪を持ち上げたりと大活躍。同校科学部手代木顧問は「文科系は大会がなく、外でのイベントに参加し、良い経験となった。冬も参加したいと言う声を聞き、目標を持ち、どんなことをしようかとみんなで考え企画し、有意義である」と話した。
 紫外線に反応し発光するスライムや、廃油石鹸作り(小樽消費者協会)など、予定時間前に定員となり、ブースを閉める所が出るほどの賑わいを見せていた。
 同館青木館長は「子どもたちや親子連れが参加し、工作などの展示を楽しんだ。子ども達がスタッフとなった。先生、小中高生、大学生と民間企業など、広くバランス良く利用され、ネットワークもでき広がってきている。交流から得たものを学校へ持ち帰ってもらいたい。科学といえども、毎年参加している学校の生徒の成長が感じられる」と感想を述べた。
 9日(木)は10:00から15:30まで同館で開かれる。なお、2回目は、平成25年1月12日(土)を予定している。