余市で捕獲のジンベエザメ おたる水族館で道内初の展示



 おたる水族館(祝津3)では、道内の水族館で飼育例がないジンベエザメの展示を、9月18日(火)から、同館ほのぼのプールで行なっている。
 このジンベエザメは、体長3.0〜3.5m、性別は雄。体重350〜400kg(推定)。9月17日(月)に余市の漁業者・山崎豊氏から、余市沿岸のサケ定置網に、ジンベエザメが入網したとの連絡を受け、同館プールに収容した。テンジクザメ目ジンベエザメ科に属し、サメとしては最大で成長すると全長20mになるものもある。熱帯、亜熱帯、温帯に分布し、動きはゆっくりで人間にとって危険性は低い。北の海で捕獲されることは珍しく、今夏の暑さで海水の温暖化が進んだことが原因ではないかとみられている。
 2日目のジンベエザメの様子は、捕獲してから餌(オキアミ)を食べておらず、飼育員が潜水して餌を与えたりしているが、まだ食べていない。餌を食べるまで1ヵ月くらいかかる例もあり、網にかかったため、擦り傷が数ヶ所あるが、現在は、呼吸も安定ている状態だという。独占した水槽をゆうゆうと泳ぎ、一緒に付いてきたコバンザメ2匹が、寄り添い泳いでいる。コバンザメは、大型のサメ類などに吸い付き、餌や寄生虫、排泄物を食べて暮らしている。「鮫肌」というだけあって、体表はヤスリのようで、水槽の硝子にキズが付いていた。

 以前にもこの時期に暖流に乗り北上し、網にかかったことがあったが、海に逃がしていた。今回は連絡を受け、展示に至った。道内の水族館では初めての展示で、飼育例がなく手探り状態。飼育を行なっている道外の水族館と連絡を取りながら、人工飼育に全力を尽くしていくことにしている。
 同館川尻孝朗営業課長は「道内では初めての展示で珍しく、多くの人に見てもらいたい。1日も早く餌を食べて擦り傷を治し、元気な状態になってから、今後について考えていきたい」と話した。
 横浜から家族で旅行中の5歳の男の子は「凄く大きかった」と話し、母親は「子ども達は魚が大好き」と、水槽の前で写真を撮って楽しんでいた。
 ジンベエザメ(wikipedia)
 ジンベエザメ大百科(大阪・海遊館)