はくぶつかんの『お月見』 総合博物館運河館


 小樽市総合博物館運河館(色内2)では、9月30日(日)の十五夜に合わせ、1日早い9月29日 (土)18:30から、恒例となった「はくぶつかんの『お月見』」が開かれた。27名の参加者が、月見団子作りやお月見の話、望遠鏡からの月を楽しんだ。
 お月見とは、日本に古くから伝わる風習で、野菜や果物などの収穫物を供え、月に感謝する日。昔は作物を収穫することが今よりも大変だった。手元が暗いとき、月明かりが役に立ち、月への感謝を込めて「ありがとう」と「豊作」を願って行われたと、同館・山本侑奈指導員が説明した。
museummoon2.jpg 参加者はエプロンをつけ、お月見団子作りに取り掛かった。白玉粉、上新粉、水をまぜこねる。直径2cmくらいの大きさに丸めた団子を、蒸篭(せいろ)で20分間蒸す。蒸し上がる間、同館大鐘卓哉学芸員から月の話があった。十五夜が必ずしも満月だと言えないことや、どうして月の形が変わるのかを説明。月のクレーターは、隕石などの衝突ででき、山脈、クレーター中心部に見える中央丘を画像で紹介。海と呼ばれる月の黒く見える部分は玄武岩に覆われ、かに、うさぎ、女性の顔などに見える。地球からは見ることのできない月の裏側や、月探査衛星「かぐや」からの月面上から見た地球の画像も紹介した。参加者は、熱心に聞いていた。
 同館中庭には、月見団子やススキなどを供え、科学ボランティアの協力で6台の望遠鏡を設置。あいにくの空模様の中、順番に並び、うっすらと見えた月を、短時間で観察していた。

 参加者で作った団子は、砂糖醤油やきなこを付けて食べた。「自分で作ったので美味しい」「初めて団子を作り食べた」とお月見を楽しんでいた。
 9月30日(日)は十五夜。昼の12:19に満月となるが、この時間では見ることができない。月出は17:00(札幌)で、この段階で、ほぼまん丸の月を見ることができる。