ヴァイオリンとピアノのデュオ 西陵中芸術鑑賞教室


violin&piano1.jpg
 小樽市立西陵中学校(富岡2・太田博之校長)では、11月28日(水)14:00から、小樽市民センター(色内2)マリンホールで芸術鑑賞教室を開き、全校生徒、職員、保護者、約220名が「ヴァイオリンとピアノのデュオ」を鑑賞した。
 同日19:00から同じ会場で、佐藤まどか氏のヴァイオリンと同校教諭・岩﨑正氏のピアノ演奏で、同校PTAが主催する ”珠玉のデュオで奏でる至福の一夜”と題したコンサートを開催。一昨年に大変好評を博し、再演を望む声に応えて、2度目の開催となった。
 それに先立ち、是非子ども達に生の音楽鑑賞を体験させたいと、芸術鑑賞の時間を設けた。フィンランドの様子やヴァイオリンについてなど、佐藤氏と岩﨑正氏のトークを交えながらの演奏会となった。
 佐藤氏は、旭川出身で、東京藝術大学院博士後期課程を修了し、イギリス、オーストリア、フィンランドで研鑽を積み、2005年に、シベリウスの研究で博士号を取得。現在、上野学園大学講師、日本シベリウス協会理事。ソリストとしての活動を中心に、国内外において、室内楽や現代音楽など多彩な演奏活動を行う。
 岩﨑氏は、10歳からピアノを始め、ベルギーのアウレス・デ・ブリース音楽財団から特別スカラーシップを得て渡欧。ピアノをスイスのベラシキ氏に師事。1980年に巨匠ルドルフ・フィルクスニー氏の薫陶を受けた。帰国後教職に就き、現在、西陵中学校教諭の傍ら、ソロコンサート活動を展開中。
 はじめに、ヴァイオリンとピアノのデュオで、エルガーがのちに妻となる恋人に贈った曲「愛の挨拶」やモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ KV301」を演奏。岩﨑氏がピアノソロで、ファリャ「火祭りの踊り」を、再びデュオで、クライスラー「中国の太鼓」など、作曲者の説明を加えながら演奏した。佐藤氏は、シベリウスの住んでいたフィンランドの様子をスライドで紹介、シベリウスの写真なども紹介した。
violin&piano2.jpg その後、佐藤氏愛用のヴァイオリンについて1769年ナポリ生まれと説明。「イタリアの楽器が小樽まで来たのは凄いこと、生の音楽を聴き、ここに参加できた生徒は貴重な時間を過ごした」と岩﨑氏は話した。
 ヴァイオリンの奏法についても実演。岩﨑氏が、ピッツィカートなどの特殊な弾き方をリクエストして、佐藤氏が実演してみせた。
 太田校長が4歳の時に使用した、50年前のヴァイオリンをお宝楽器として紹介。4歳児の体にあった1/10の大きさのヴァイオリンで、それを使って佐藤氏が演奏を行なった。
 質問コーナーでは、「ヴァイオリンは何から出来ているか」の問いに、「カエデなど色々な素材の木が使われている。弦は羊の腸」と答え、また、「弓は何でできているか」の問いに、「白馬の尻尾が良い。イタリアからのお取り寄せである」と答えた。
 今回のために岩﨑氏が書き下ろした曲「ロマンチックワルツ」を演奏。アンコール曲を含めて11曲を演奏した。生徒らは会場に広がるヴァイオリンとピアノのハーモニーに耳を傾けていた。
 1年生の平野愛花さんは、「以前にオーケストラを生で聞いたことがあった。まどかさんは、激しい曲、綺麗な曲などに合わせて表現が豊かで綺麗だった。また、機会があれば聞きたい」と話していた。