「鉄道を守る雪の研究」講演会開く 市総合博物館 

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setuhyougakkai1.jpg 日本雪氷学会北海道支部地域講演会「鉄道を守る雪の研究」が、12月15日(土)14:30より、小樽市総合博物館本館(手宮1)で開かれた。
 日本雪氷学会は、雪と氷、その周辺環境に関する研究を進め、学術の振興に寄与することを目的とした公益社団法人。主催した同会北海道支部(高橋修平支部長)は、毎年、北海道各地で地域講演会を開いており、小樽市では初めて。
 同館2階研修室で「鉄道を守る雪の研究」と題した講演会が、14:30から始まり50名が参加した。「現在の除雪車両」と「鉄道と雪ー新幹線の雪対策」の2部構成。
 1部では、日本除雪機制作所の岡本光隆氏と中村哲也氏が、現在の除雪車両について説明。岡本氏は、「除雪の方法として、ロータリ除雪方式とラッセル除雪方式がメインで、ロータリ除雪方式のメリットは、排雪能力が高く、デメリットは、雪を捨てる場所を慎重に選ばなければならなく、速度5~20km/hと遅い。一方、ラッセル除雪方式のメリットは、高速走行で短い時間に完了し、燃料が安くて済む。デメリットは、雪が多すぎると脱線してしまう。投雪方法では、雪をとばす場所に制限がある時はシュート投雪。一度に大量にとばすことが出来る直接投雪がある」と説明した」と説明した。
 次に中村氏は、軌道モータカーの仕組みやラッセル装置のいろいろな形を紹介。線路の溝の雪を削り取り飛ばすフランジャーの仕組みや、降雪装置について解説した。前後の除雪ができる車両や、600馬力が縦列して排雪する車両、新幹線用の軌道モータカー、トロッコ用小型ロータリ除雪機を紹介した。「ディーゼルエンジンと蓄電池を併用した未来型ハイブリットロータリ除雪車を開発し、ハイブリットモータカーの開発を進めている」と述べた。
 2部では、鉄道総合技術研究所・鎌田滋氏が「JRの線路総延長約2万kmのうち、主に日本海側地域に位置する8千km(線路総延長の約40%)が、豪雪地帯に敷設されており、冬期間には様々な雪害を被っている。また、北陸新幹線、北海道新幹線など、豪雪地帯での開業が予定されている」として、鉄道における雪害の種類と対策について話した。

 この講演会の関連行事として、12月12日(水)から24日(月)まで、同館エントランスホールで、パネル展「雪と戦う鉄道車両」と企画展示「鉄道おもちゃで見る北の鉄道」が開かれている。
 「鉄道おもちゃで見る北の鉄道」では、240両もの鉄道模型(プラレール)が、レール内を走行し、北国の鉄道風景を再現し、多くの来館者の目を楽しませている。
setuhyougakkai2.jpg 展示の鉄道模型は、同イベント担当の同館・大鐘卓哉学芸員 (日本雪氷学会理事)や同会、知人が収集したもの。縦8m・横6mのスペースに、6つのゾーン(小樽・札幌圏・東北・山地・雪山・タワー)を設けている。タワーゾーンでは、昔と今の北海道・東北地方で走る鉄道車両を集め、C62蒸気機関車重連による「急行ニセコ」を再現している。
 企画展に合わせて除雪車も紹介。「特別注文のマックレー車(かき寄せ雪かき車)、逆八の字に開く大きな翼が線路沿いの雪壁を崩し、線路の雪をかき集める」と解説が付いている。また、北海道最初の幌内鉄道の除雪のために作られた木製の「雪払い車」は、車重が軽くて雪に乗り上げてしまうこともあったそうだ。どちらも同館展示車両。
 ロータリ車、義経号、弁慶号の復元車両も展示している。電車好きの子どもから鉄道マニアの大人まで楽しめる会場となっている。15日・16日、22日〜24日の10:00〜16:00、1時間おきに全車両を動かす予定。同会場では、雪と戦う鉄道車両のパネル展も同時に開かれている。
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 15日13:30から、同講演会関連行事として同館2階実験室で、工作教室「雪結晶が見える万華鏡を作ろう」も開かれ、定員を超える25名が参加した。同会・荒木逸人氏が講師を務め、スタッフ5名が対応にあたった。「鏡の反射を使った万華鏡で、鏡の反射がどれだけ上手にできるかがポイント」と説明した。参加者には、キットが用意され、1時間ほどで手作りの万華鏡が完成した。
 市内小学6年生の佐藤菜々さんは、「初めて万華鏡を作った。雪の結晶を、1色のビーズだけ使って作った。いろいろな形が見えて綺麗だった」と満足した様子だった。
 公益社団法人日本雪氷学会 北海道支部 地域講演会のお知らせ
 講演会”鉄道を守る雪の研究”