没後80年 2/20の命日に『多喜二祭』


takijisai.jpg 小樽が生んだプロレタリア作家・小林多喜二の没後80年、生誕110年の節目の年となった今年も、2月20日(水)の命日に、偲ぶ会による「多喜二祭」が開かれる。
 多喜二が眠る奥沢墓地(奥沢5)で墓前祭を13:30から、講演と音楽の夕べを18:30から市民センター(色内2)マリンホールで実施する。主催は小樽多喜二祭実行委員会。
 小林多喜二(1903.10~1933.2)は、秋田生まれの小樽育ち。小樽高商(現小樽商科大学)で学ぶ。文芸雑誌に数多くの作品を投稿し文壇デビューを果たし、蟹工船などの名作を生んだ。当時の治安維持法違反容疑で特高警察に逮捕されても、信念や思想・政治的立場を変えなかったため、29歳という若さで拷問によって虐殺された。没後55年から毎年、多喜二祭(小樽多喜二祭実行委員会主催)が開かれている。
 記念の夕べは、「なぜ日本は再びファシズムの道をすすむのか」と題して、尾西康充・三重大学教授が講演を行う。また、同実行委員の斉藤力氏と寺井勝夫氏の創作した詩2編が朗読される。1つは「炎の青春」と題し、多喜二が駆け抜けた29歳の生涯を、もう1つは、「小林多喜二のお母さんの米寿と入党を祝う」と題し、母への賛辞が歌われている。
 清水紫氏のソプラノ独唱。過去に何度が披露された多喜二を歌にした「赤き花燃ゆ」を披露。この曲は、日本作詞大賞新人賞を受賞している。終了時間は20:40頃としている。
 実行委員は、「毎年晴れても吹雪いても2月20日の命日に行い、毎年行うようになり25年目となる。脚光を浴び、蟹工船が広く読まれるようになった。一時のブームで終わらせたくない。様々な差別や格差も、多喜二の描いた世界と同じということに触発されたのがブームの背景。それ以上に多喜二の本を読んでもらいたい。多喜二自身、ふるさとは小樽と語っているため、これからも続けていきたい」と話した。
 参加券は前売り・当日共に1,000円 市民センター・紀伊国屋小樽店で販売
 問合せ 0134-32-8560 同実行委員会・斉藤力事務局長
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