小樽に建てたい建物設計コンペ 樽工生20点展示


designcompetition1.jpg 一般社団法人北海道建築士事務所協会小樽支部(花園4・野々瀬雅昭支部長)では、第5回『小樽に建てたい建物』設計コンペを開催。最優秀賞作品を含む20点を、3月11日(月)から18日(月)まで、市役所(花園2)別館渡り廊下に掲示している。主催は一般社団法人北海道建築士事務所協会小樽支部。
 同協会では、小樽工業高等学校建築課3年生を対象に、これから建築設計界を担う若い建築家を育てたいという思いから、同コンペを開催、今回で5回目となる。昨年までは、同協会の総会時に掲示していたたが、市民にも作品を見てもらおうと小樽市に相談し、掲示が実現した。
designcompetition2.jpg 同協会が、”小樽に建てたい建物”という課題を提供し、市内の地域性を活かした公共の建築物などを自由に設計した作品や、既存の建物の建替え、風景を活かした建築物を設計した作品で、設計条件は、建設地域を小樽市内とし、敷地面積は自由、延べ面積1,000㎡以上、建物構造は鉄筋コンクリート、所要図面A1版1枚としている。
 同校建築課の学生から20点の応募があり、選考委員6名で審査。最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作2点、努力賞2点が決定し、会場で全作品20点を展示している。最優秀賞は、秋山愛斗さんの「HORIZON OTARU~Roadside Station~道の駅」が審査員満場一致で選ばれた。設計要旨によると、「小樽市塩谷に建設し、小樽市の鳥「アオバト」をイメージし、碇を掛け合わせデザイン。直売所、レストラン、カフェ、体験工房、温泉を施設に設け、太陽光パネルを小樽に適した年間最適斜度33.2度に設置。効率的に発電し冷暖房に使用。北側には、小樽港が一望できる180度のオーシャンビューを設計した作品」。
designcompetition3.jpg 優秀賞「小樽植物園」・山崎涼さんは、小樽には植物園はあるが温室がないので、温室付きの植物園を設計。幅広く利用してもらうために公園を設け、温室には吹き抜け通路、展望台にはコミュニティスペース、360度見渡せる屋上を設置した作品。自分が通っていた保育園が古くて小さく思った経験から設計した溝口季菜さんの「いろいろなほいくえん」や現存する桜ヶ丘球場に変わる「小樽球場」を設計した三浦志穂さんの作品は、室内練習場やトレーニングルームなど雨の日や冬期間の練習を可能にしているなど、経験からの発想や夢を描いた作品が並び、図面の書き方も丁寧で、課題に真剣に取り組んでいる。市役所を訪れた市民は見事な設計図に見入っていた。
 同協会・野々瀬支部長は、「1回目から記録を残し、今回で5回目となるがレベルアップしてきている。最優秀賞は全員一致で決まり、5回開催して初めてのことだった。多くの市民に是非見てもらいたい」と話した。
 第5回設計コンペ入賞者
 最優秀賞 秋山愛斗 優秀賞 中村直人、山崎涼
 佳作 柴田幸徳、三浦志穂 努力賞 野口明代、福嶋由輝