"高島おばけ"シーズン到来!4月より情報発信開始


 春の訪れと共に、蜃気楼愛好家には、待望の蜃気楼シーズンが到来。小樽の春の風物詩「高島おばけ」への観測に今年も期待が高まる。「高島おばけ」とは、石狩湾の対岸の建物がバーコード型や大きく見える大変珍しい現象。
 そこで、4月1日から道内の蜃気楼発生期待度を、札幌在住の気象予報士・金子和真さん開設のHPで、4月から7月末まで気温、水温、風向き、天候、発生事例などから毎日予測し掲載する。
 また、「石狩湾蜃気楼情報ネットワーク」の運用も開始。同ネットワーク管理者で北海道・東北蜃気楼研究会会長でもある大鐘卓哉氏と小樽市総合博物館の協同で2010年に開設。現在登録している会員は50名ほどで、メーリングリストにより、4月から7月末にかけて、石狩湾での上位蜃気楼が発生する可能性が高い場合、金子さんが期待度20%以上と判断した時に事前に配信、同研究会会員が石狩湾での蜃気楼確認時や石狩湾での蜃気楼情報を随時配信する。
 蜃気楼愛好家には、大変役立つ情報源となり、実際に蜃気楼現象を確認した会員がリアルタイムに情報を発信し、現場に駆けつけた市民が蜃気楼に遭遇した事例も報告されている。
 今年の北海道での春の上位蜃気楼は、すでに、3月8日には、オホーツク海で流氷が上位蜃気楼になる「幻氷」を観測。水温0℃で内陸部の気温が10℃で発生の可能性がある。この時期の石狩湾での水温は5℃位で、陸地の最高気温が15℃で発生の可能性があるため、今後の気温の変化に注意が必要。最近では、3月27日に斜里沖で上位蜃気楼が発生。蜃気楼で知られる富山県魚津市でも3月28日に上位蜃気楼を今シーズン初観測し、全国的な蜃気楼シーズンを迎える。
20120428mirage.jpg 昨年の石狩湾での蜃気楼は、4月21日に金子さんの初観測後、4月から5月にかけて5日連続で発生するケースが2度もあり、全国的にみても例がない蜃気楼日和となった。最終的には観測史上最多の21回観測、全国の各地の蜃気楼名所より石狩湾が一番多く観測した結果となった。しかし、視程が悪く、せっかく発生した蜃気楼が分かりづらく、見慣れていない市民が蜃気楼だと確認するには難しかった。(写真提供:小樽市総合博物館)
 会員や研究者の努力や経験など観測体制が充実し、それなりの上位蜃気楼でも確認できるようになり、今シーズンも期待が高まる。
 大鐘氏は、「小樽での蜃気楼『高島おばけ』を見たことがある人は少なく、本物の現象を是非見てもらいたい。まずは、市民が蜃気楼を見て知り、他の市民へと伝え、蜃気楼への関心が高まることを期待する」と話した。
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 問合せ 0134-33-2523 小樽市総合博物館 大鐘