4月19日は飼育の日 トドに給餌体験

 日本動物園水族館協会(JAZA)では、2009年から、動物園、水族館の仕事の社会的役割の理解を目的に、「4・1・9(し・い・く)」の語呂合わせから「飼育の日」を定めた。
 おたる水族館(祝津3)では、飼育の日のイベントは3年目となり、19日(金)15:30から、同館海獣公園で「大樽ごはん~飼育の日プレミアム~『トドに魚をあげよう!』」を開催した。
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 ゴールデンウィークとお盆以外は毎日行われているイベント「大樽ごはん」の中で、いつもより大きめのタラ30本(約50cm)を用意。希望者がトドに大きなタラを与える給餌体験が行われた。
 あいにくの手がかじかむほどの寒さの中、ペンギンやトドのショーを見物した後、30名が参加した。
 海獣公園のトドやアザラシは、1日200kg以上の魚を食べている。その魚が準備される調餌場「アザラシの台所」の前に集合し、飼育部海獣飼育課長の角川雅俊獣医師から給餌テクニック、秘技、飼育員の苦労話や裏話を織り交ぜながらの解説を受けた。
 樽いっぱいのタラの切り身や、コマイやホッケの1本ものが入った樽8個をリヤカーに積み込み、トドプールへ移動。水族館ならではの必須アイティムやトドの食性などの解説を聞きながら、希望者は、大きなタラを、トドのいる水槽へ落とすと、勢い良くかぶりつき、迫力ある生き物の生態を間近で体験した。
 トドへの投薬方法として、整腸剤ビオフェルミンなど人間と同じ薬や牛や犬などに与える薬を、餌の魚のエラから入れ与える。体重比で薬を与えるため、トドのメスには、人間の5倍の量を用いる。トド・アザラシ担当の徳山航飼育係が、実際に額に怪我をしたトドに、薬入りの魚を作り与えて見せた。参加者は、普段聞く機会のない水族館よもやまな話に関心を示し、熱心に聞き入った。
0419shiikunohi2.jpg その後、アザラシのプールへ移動し、給餌する様子を公開した。アザラシに競争させるよう餌を与え、餌を探すアザラシは生命力に溢れていると解説。また、ケアプールでは、アザラシの寿命は25歳前後と言われるが、このプールでは30歳以上で、最高齢43歳のアザラシもいる。
 アザラシの食べる様子を観察しながら、均等に食べられるように与える。水面をたたきアザラシはアピールしながら餌を待っていた。ほとんど病気はしないが、フェラリア(犬心臓糸状虫)に罹らないように、夏になると予防薬を月に1度与えていると解説し、用意した樽の餌がなくなり「大樽ごはん」は終了した。
 市内在住の女性は、「2年前にも参加した。今日は、沢山魚をあげることができて楽しかった。薬を魚のエラから入れる話は興味深かった。市内なのでこれからも水族館へ来て楽しみたい」と話した。