日本の伝統文化を体感する「第35回小樽日本画協会展」が、6月12日(水)から16日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開かれ、会員13名の日本画や水墨画49点を展示し、来館者は日本画の奥深さに見入った。
小樽日本画協会(上田入子代表)は、50代から89歳までの13名の会員。昭和21年4月に、故・本間聖丈氏が発足させた日本画と水墨画の会で今回で35回目を迎えた。
日本画は、和紙や絹地に墨、岩絵具、胡粉、染料などの天然絵具を用い、膠(にかわ)を接着材として描く特殊な技法が使われている。金箔を貼ったり、アルミ箔をもみがみの手法でしわを出したり、日本画ならではの独特な技法が使われ、展示作品からそれらを知ることができる。また、来場者へ日本画の理解や興味を深めるため、岩絵の具や水干絵の具、筆や箔などの画材を展示し、タイミングが良ければ、会員による説明を聞くこともできる。
上田代表は、夜の会話と題してシリーズで出展。「飛びたい鳥たち」「定期性」「月と月下美人」「猫談議」と日本画の独特の発色でメルヘンの世界を醸し出している。他には、ベニヤ板に和紙を貼り、アルミ箔を貼り皺を寄せたり、日本画の持ち味を引き出した作品が並ぶ。
額装の作品が多い中、掛け軸に仕上げた作品もあり、日本画や水墨画を引き立たせるよう仕上げている。一島喜明さんは、水墨画で半切1/2のサイズに藤花や古い倉庫を描いた作品や短冊にあやめを描き趣を感じさせる。
同代表は「以前は、20代や30代で日本を始める人が多くいたが、今では、定年後に学ぶ人が多い傾向がある。日本画の魅力は、発色が綺麗で、独特の日本文化を体験できる。日本画は学校で学ぶこともなくどんなものか知らない人が多い。是非この機会に日本画に触れ、知ってもらいたい」と話した。
小樽日本画協会展 6月12日(水)~16日(日)10:00~17:00
市立小樽美術館(色内1-9-5)1階市民ギャラリー 入場無料