国土交通省北海道運輸局では、7月1日から31日の「海の月間」に合わせて、「船のバリアフリー教室」を開催。
7月8日(月)9:00から、新日本海フェリーターミナル(築港7)に停泊中のバリアフリー適合船「はまなす」の船内で行われた。小樽市立花園小学校5年生59名といずみ学級7名の児童が参加。船内のバリアフリー化はどのようになっているか、体の不自由な人が公共交通機関を利用する時、どのような不便を感じるか、また、困っている人を見かけた時の対処法などを、車いす疑似体験や視覚障害者擬似体感を通じてバリアフリーの理解を高めてもらおうと、平成13年から毎年開かれている。
新日本海フェリー株式会社、北海道海事広報協会、北海道開発局の共催。NPO法人「手と手」の3名が講師を務めた。
船内の6階に集合し、国土交通省北海道運輸局交通環境部・及川計画調整官は「平成18年に、体の不自由な人が安全にスムーズに移動できるように、建物、道路、乗り物にある障害物をできるだけ取り除こうする新しい法律ができた。安全に移動できるよう様々な対策があり、回りの人が心がけることが大切となる。私達がお年寄りや体の不自由な人への手伝いをすることによって、安全で気持ち良く移動できるような環境づくりが大切。このことを心のバリアフリーと言う。皆さんに車椅子で移動したり、目隠しをして歩行体感をしてもらいたい。困っている人を見かけたら、どう接するか、どう手伝いするかを実際に体験し、心のバリアフリーの大切さを学んでもらいたい」と話した。
その後、2班に分かれ、5階のカフェで車いす擬似体験が行われた。「手と手」の佐藤やよい氏から、車椅子の基本的な操作方法や車椅子を押す時の注意事項の説明があった。9台の車椅子が用意され、児童らは乗る者と操作する者の2人1組になり体験した。慣れない車椅子の操作に苦心しながらスロープを通り、後ろ向きになってオープンデッキへ出ることができた。
次は、同・釜野郁子氏が、全8室あるバリアフリー対応の客室や風呂、トイレを見学しながら解説。普通の客室との違う点を児童が確認し、バリアフリー対応の利点などを説明した。
4階に下がり、3つ目の体験、視覚障害者擬似体験が行われた。同・浅野目祥子氏が講師を務め、白杖はアンテナの役目をすると説明。援助者へのつかまり方など注意事項を聞いた後、これも児童が2人1組となって、介助する側とされる側に分かれ、5階までの階段をゆっくりと上った。
同校5年の佐々木咲羽さんは、「車椅子に乗るのも触るのも初めてで、後ろ向きで動く時、スピードがあって恐かった。視覚障害者擬似体験では、階段を一番上まで上ったのに、まだ階段があるように感じた。これからは、不自由な人達を助けたい」と話した。
その後、「船のバリアフリー」や「道路のバリアフリー」についての講義を聞き、船内を見学。12:40頃に終了した。