おしゃべり大好きなインコの話"チロ物語"自費出版

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 市内高島在住の石郷岡祥子さん(66)は、2003年から8年半、自宅で飼っていたセキセイインコのチロ(2010年死亡)の、小鳥とは思えないようなおしゃべりと家族との関わりを綴った「チロ物語」を、2013年7月に自費出版した。
 石郷岡(いしごうおか)さんは、生前のチロとの会話や日常の出来事をメモに書きとめていた。こんな小鳥の存在を残しておきたいと出版にこぎ着け200冊を印刷し、友人・知人に配った。
chiro.jpg 「これは間違いなく事実なのだと読み進んだ」、「感動と感激の気持ちでいっぱい」、「92歳の母も夢中で何度も読み返していた」などと沢山の反響が寄せられた。
 石郷岡さんは、小樽出身で、高校の養護教諭として倶知安、石狩、小樽で勤務。実母を1990年から自宅介護していた。セキセイインコを飼った経験があり、お母さんの最期を看取るきつさを考え、言葉を覚えられる年齢の小鳥を再び飼うことにした。
 それが、この本の主人公・セキセイインコのチロである。鳴いているより「ヒト」の言葉で話し、二役をするチロや石郷岡さんとの対話や、それに癒されたというお母さんさんの様子が綴られている。「チロは、まぎれもなく介護の担い手でもあった」と述べている。
 著者は花を写すなど写真の趣味もあり、チロの写真も掲載し、飼い主に見せるチロの表情が上手く捉えられている。
 お母さんの脳梗塞が進み会話が減り、石郷岡さんは、自然とチロに声をかけることが多くなった。チロは飼い主の言葉に耳を傾け、次第に沢山の言葉を覚え、言葉で自分の思いを伝えるようになり、「オウム返し」どころではなくなっていった。
 「チロ、おばちゃんに元気ちょうだいネ」と言うと、「チロも疲れているんだけどネ」と返事をし驚かせた。お母さんを「チロばあちゃん」「きんさん」、石郷岡さんを「チロおばちゃん」又は「祥子さん」などと呼び、使い分けるなど、小鳥の域を超えた信じがたい会話の数々が綴られている。
 日常生活での様子も綴られ、家庭には、小鳥を飼った人にしか分からない危険が潜み、小さな命を守る苦労話もある。
 2006年11月自宅でお母さんが亡くなり、姿が見えなくなった時、「きんさんは、2階へ行っているのでしょうか?」とチロは聞いてきた。その翌日「チロばあちゃん、見たいな~」には、脱帽したという。
 介護されるものと介護する側の大人2人の生活での、チロの存在は大きく救われることが多かった。お母さんを看取った後の寂しさも、チロとの会話や世話が乗り超える力となったという。そして、チロは亡くなるまで、「チロばあちゃん、パン食べたかな~」とか「チロ、チロばあちゃん、見てないの」など、ずっとお母さんのことを気にかけていたと言う。
 2010年4月17日、チロは別れも告げずに旅立った。チロと過ごした8年半の月日は、懐かしい思い出となった。
 小鳥がこれほど「ヒト」の言葉で話をするのかと、信じられない人が多いと思うが、1本だけ撮ったというビデオにチロのおしゃべりする映像が残されている。動物は人間にとって癒される存在であることを再認識できる物語である。
 石郷岡さんは「仕事と介護の日々をチロのおしゃべりで癒された。『オウム返し』のレベルを超えた小鳥もいることを知ってもらいたい。不登校や引きこもりなど厳しさを抱えた時代に、小鳥や猫などがくれる癒しにも目を向けてみてほしい。もし、興味のある方がいましたら、手にしてみてください」と話した。
 「チロ物語」1,000円 取扱先
 産直café ななかまど 小樽市堺町3-19 0134-23-1855
 金・土・日・祝日のみ10:00〜17:00
 Ristrante Treno(トレノ) 小樽市手宮1-3-7 0134-29-1609
 11:00〜21:30、冬期間11:00〜17:00 火曜日定休