松ヶ枝中学2年生54名  三味線や箏を体験


小樽市立松ヶ枝中学校(松ヶ枝2・福田正弘校長)では、昨年に引き続き、同校2年生54名を対1204matsugae.jpg象に「筝曲授業」を開いた。
 12月5日(木)1・2校時目に2年1組27名、3・4校時目に2年2組の27名が、同校2階音楽室で、2人で1台の箏を使用し、日本の伝統楽器に触れ学んだ。
 筝曲授業は、文化庁による平成25年度次代を担う子どもの文化芸術体験の「派遣事業」として行われた。日本の伝統的な楽器である筝や三味線の曲を鑑賞し、その良さを味わいながら、特徴を生かして活動。地域で活躍する芸術家を講師に招き、伝統文化を継承することの意義や素晴らしさの理解を深めることを目的としている。
 講師は、市内在住で30年前から子ども達に筝曲を教えるベテラン平川岡寿恒氏(筝曲山田流師範)が務め、佐藤喜代恒氏、阿部紗欧莉氏が補助講師となり指導を行った。筝や三味線に詳しい二見屋邦楽器店・白井順店主も参加した。
 平川氏は、年間に市内の学校5、6校巡回し、筝曲授業を行っている。今回は、中学生用のプログラムを行ない、2時間内に「さくらさくら」が演奏できるように指導した。
 実技に先立ち、6つの変奏曲からなる「六段の調べ」を、平川氏が弾き、姿勢や弾き方を見せた。また、箏の成り立ちや歴史について説明。箏は、中国から来た楽器で、大きさも様々で、授業では、一般的なサイズの箏を用意した。箏の名称の説明と、13本ある糸の数、番号がついているなどを説明した。

 箏に対して直角に爪を糸に置く。しっかりとした音を引く流派の山田流を指導した。代表的な曲「春の海」や、現代では「ハナミズキ」「世界に一つだけの花」などの楽譜もある。三味線や尺八との合奏が多く、三曲合奏と言うと説明した。講師3人で「勧進帳の滝流し」を三味線で演奏した。生徒9人の希望者を募り、三味線を体験した。
 いよいよ、箏の実技となり、楽譜を見て「たこたこあげれ」を弾いてみた。交代で練習をし、休み時間も休まずに箏を弾き、生徒達は興味を示し、熱心に取り組む姿が多く見られた。2時間以内で「さくらさくら」を演奏できるようになり、最後に箏のコンサートが開かれ、充実した時間を過ごした。
 同校2年の石原あみさんは、「言葉には表せないほど綺麗な音。最上小学校でも体験したことがあり、2回目。少し弾けるが、完璧に弾けるようになりたい。今日の授業は、日本の歴史に触れる機会となり、昔からある楽器を未来に伝える授業だと思う」と話した。
 同校・森万喜子教頭は「箏を鑑賞する機会はあっても、体験する機会はあまりなく大切なこと。音楽に係らず、体験する機会を見つけて普段の授業に取り入れていきたい」と話した。