2/20多喜二命日に"墓前祭" 市民劇で偲ぶ


takijisai.jpg 小樽が生んだ代表的な作家・小林多喜二の命日2月20日(木)に、今年も、没後81年目となる多喜二を偲ぶ「多喜二祭」が開かれる。主催は小樽多喜二祭実行委員会(寺井勝夫実行委員長)。
 同祭は、1988年に始まり、その後、毎年命日に開催し、今年で27回目となる。多喜二が父のために建てたと言われる墓(奥沢墓地)で、墓前祭を13:30に行う。これまで、この日のために、実行委員らが雪深い墓地の除雪を前日に行っている。
 小樽駅前JRバス乗り場から、12:45に貸切バス(往復400円)が出発。毎年約100名の多喜二ファンが雪深い墓前で、赤いカーネーションを献花し、多喜二を偲ぶ。
 その後、小樽市民センター(色内2)マリンホールに会場を移し、多喜二祭を開催。同実行委員会は、小樽市民が多喜二を知らないのは問題だと、多喜二を通じて繋がろうと、様々なイベントを開催してきた。セットしたイベントよりも市民が多喜二に関われるような、参加してもらう催しをと考え、今年は市民参加の市民劇を上演することとした。
 16:00から、同実行委員でもある大地巌氏作・構成・演出の「爺ちゃんは昔戦争に行った」の市民劇を上演する。以前に、朗読劇を行ったことがあったが、市民劇は初めての試みで、熱がこもった稽古が行われてきた。
 キャストは、小学校4年生から70歳代までの市民で、約35名が出演。スタッフを含めると総勢40名以上となる。シーンを8つに分け、戦争体験者の爺ちゃんが、市内の繁華街を孫と歩いていると、「憲法9条を守ろう」と呼びかけていた。その意味を孫に聞かれ、虐殺された多喜二を思い起こす。多喜二の訴えとからめ、憲法、平和問題を議論し、爺ちゃんの回想シーンで、多喜二が出てくる。1時間ほどの上演となる。なお、市民劇に出演する役者を募集中。
 引き続き、18:30から第2部、北海道合唱団による「多喜二の追悼の歌」を含めたコーラスと、小樽商科大学教授の荻野富士夫氏による「蟹工船から見えてくるもの」と題した講演会を開催する。
 全国各地で、多喜二を偲ぶ会が催されているが、小樽では、必ず命日に開かれ、小樽での「多喜二祭」を成功させたいと、同実行委員会メンバーは意気込みを見せた。
 同実行委員会・斎藤力事務局長は、「没81年目となり、今回の多喜二祭で、市民を巻き込んだ催しを通じて、市民の多喜二のイメージを大きく広げられたらと思う」と話した。
 チケットは、市民劇のみ観覧500円・催しもの参加券1,500円・どちらも中学生以下無料
 販売先:紀伊国屋小樽駅前店・小樽市民センター・文学館・石井額縁店
 問合せ0134-32-8560 斎藤力事務局長
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