NPO法人おたる祝津たなげ会(鈴木忠昭理事長)では、昨年9月に始まり、今回5回目となる「週末食育番屋」を、祝津茨木家中出張番屋を会場に2月2日(日)に開催。今年度の最後を締めくくったテーマは”ニシン”。
平成25年度小樽市「地域資源を生かした小樽観光の魅力アップ事業(ふるさと財団『新・地域再生マネージャー事業』採択事業)」の一環で行われている。
札幌・余市などから全回出席の親子を含めた5組・16名が参加し、たなげ会メンバーや浜の母さん、ワックスボウル製作指導者らが対応した。
はじめに、同会渡部満事務局長からニシンについての話を聞いた。「以前はサハリン系のニシンで、現在のニシンは、石狩湾で成長したもの。産卵期の違いで分かり、石狩湾のものは2月〜3月に産卵期を迎え、サハリン系は3月〜4月に群来となる。産卵には、水温の影響が大きく、ニシンの群来は春が来ることを告げている」と話した。
過去のニシン漁について、祝津の漁師近江治一さんが、昭和25、6年頃まで使われていた定置網の道具を紹介しながら説明した。モッコや計りにかけるカゴ、船の底にあるニシンを集める道具などを紹介した。現在は、さし網漁が行われているという。
一行は、祝津の漁師の作業場へ出かけ、ニシンを網から外す作業を見学した。網にかかったニシンを外し、5段階にニシンを選別する2軒の作業場を見学し、番屋へ戻った。
7日から始まる「小樽雪あかりの路」に合わせて、ワックスボールの製作も体験した。会場にロウを溶かした大きな鍋を持ち込み、水を入れて膨らませた風船を、65〜70℃に溶けたロウの中に何度も浸し、押し花を貼り完成させた。
同時に、参加者の父や母は、ニシンのさばき方を、浜の母さんから教わった。鱗を取り三枚におろし、皮をはいでから、酢水に浸した。
番屋内の炉端では、ニシンをまるごと串に刺し焼いた。ニシンが焼ける香ばしい香りが会場に漂った。
12:30頃から、メインのニシン焼き・ニシンマリネ・刺身・ニシンの味噌汁、ご飯と漬物のニシン尽しの食事を味わった。
全回出席の札幌市発寒西小学校4年生の斉藤太陽君は、「ニシンを網から外すのが大変そうだった。ワックスボウル体験では、重たくて手が疲れた。90回もロウに浸した。昼食も楽しみ」と話し、妹の百花ちゃんは「手が疲れた」と話した。
父親は、「番屋でのイベントで、体験を通じて食育をテーマに、地元の時季の魚や漁師さんと関わり楽しめた。祝津の産業やワックスボール、ガラス製作にも参加し、とても楽しめるイベントだった」と満足していた。
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