小樽明峰高等学校(最上1・戸島哲也校長)では、総合表現・演劇コースの卒業公演会を、2月23日(日)に、運河プラザ(色内2)3番庫で、11:00と14:00の2回行ない、約200名が演劇を鑑賞した。
同コースの吉川勝彦講師が創作し、同校3年の三上志津香さんと同・秋山裕紀子さんが演出した「忘れな草に未来を」。東日本大震災で被災経験をした生徒の一(はじめ)を主人公に、生きることを問いかけ、故郷や家族の大切さを改めて感じさせる劇。
卒業生8名を含む12名がキャストとなり、それぞれに3年間の学校生活に思いを込めて、最後の演技に集中した。講師を務めた吉川氏も、3月で退職となり、最後の公演会となった。45分間の公演が終わると、会場から大きな拍手が贈られていた。
同コースは同校の演劇部員がほとんどで、3年の演劇部員・菅原周三君の母親裕子さんも初出演し、「年を重ねているからこそできると言われた。吉川さんも最後となりお世話になった感謝の意を込めて演じた。子どもは演劇を通して育てられ、とてもありがたいこと」と話し、周三君は「自分でも成長したと思う」と話した。
また、主人公一(はじめ)役の3年生・館山大輝君は、「吉川さんをはじめ、自分を変えてくれたこの部に感謝している。この話は、経験がなく難しかったが、自分なりに解釈して演じた」と話した。
3年の吉田雪音さんは「途中で部員が3人辞めてしまい、吉川さんも最後なので悔いの残らないようにしたかった。協力の大切さを知り、部員一丸となって練習した。東日本大震災は、北海道への影響は少なかったが、映像を見たり、今でも避難している人がいること、忘れていることもあり、改めて思い知らされた」と卒業公演への思いを述べた。
卒業公演開始前に、昨年4月にできた松ヶ枝中学校文化部による朗読劇「街の灯」を、1年生から3年生までの10名が朗読した。中学校と高校のジョイント公演は珍しく、注目が集まった。
同校高橋純子顧問によると、「現在部員は12名で、文化祭での出演のみで、一般公開は初めての経験。部員も芝居の経験や芝居を見たこともなかった。ワークショップで吉川さんと出会い、出演の話をもらい、昨年12月から取り組んできた。明峰高校演技部との素晴らしい出会いがあり、学んだことも多い。今後も手を取り合って、小樽の演劇の下支えとなればと思う。1度目の公演の完成度は65%。生徒のひた向きさや素直さを生かしたい。今後、中文連を目標に演劇に力を入れていきたい」と話した。
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