3年間の学舎に別れ 26名が新たな旅立ち

 市立小樽病院高等看護学院(東雲町9)の第44回卒業式が、3月7日(金)10:30から、本校2階体育館で開かれ、在校生や父兄、学校関係者が見守る中、馬渕正二学院長から、卒業生1人1人に卒業証書が手渡された。
 同学院は、小樽市が1968(昭和43)年に小樽市立病院内に設立し、高度な医療にふさわしい知識と技術を習得させ、心豊かな人間性を持つ看護師の育成を目指している。
nursegraduation1.jpg 同病院内等で実習を重ね、看護の専門職に必要な知識を得るため、3年間勉学に励んだ男子1名を含む26名が、新たな旅立ちの日を迎え、感慨深い卒業式となった。
 馬渕学院長は、「卒業された後、皆さんと共にさまざまな問題に対処し、地域一体となって解決できればと願っている。若い力を発揮し、問題の解決に努力してもらいたい。本来、医療は、私達の命や生活を守ることへの心の通う制度であると思う。単なるサービス業ではない。損なわれた健康を治し、病んだ心を癒すという愛情豊かな奉仕が求められる。さらなる勉学が必要。本学院を卒業した皆さんなら、私どもの期待に充分応えられると信じている。本学院で学んだことを基礎に、新しい未来へ向け、日々研鑽することを忘れないでもらいたい。質の高い看護を目指してもらいたい」と式辞を述べた。
nursegraduation2.jpg 卒業生を代表して山尾美南海さんは、3年間を振り返り答辞を述べた。「ここで学んだことを、これからの看護へ生かしていきたいと思う。私達は、何度も困難にぶつかりながらも、今日無事に卒業の日を迎えることができた。この学院は、学生の人数が少ない分、学生同士の関わりが強く、また、先生方も1人1人を良く理解してくれ、その環境は魅力のひとつだと思う。在校生の皆さん、周りには一緒に頑張るクラスメートや先生方の姿があり、これからも仲間を大切に頑張ってもらいたい。それぞれの路へ進むが、44期生の仲間は、困難を乗り越えることを諦めず、努力する人ばかり。学院で学んだ看護と患者さんへの思いを大切に、看護師として人として努力を惜しまず進んでいきたいと思う」と述べた。
 生演奏のピアノに合わせ、学院歌を全員で斉唱し、決意を新たにした。
nursegraduation3.jpg 小樽出身の木下ひかりさんは高校生の頃から看護師への夢を抱き実現させた。「卒業の実感がなかったが、先生方の式辞や祝辞を聞き、人のために働くことへの実感が湧いた。学院生活では、自分の不甲斐なさを感じることも多かった」と話し、小樽出身の川﨑佳奈さんは、「3年間、クラスメートや家族、先生、臨床のスタッフのみんなに支えられてここまできた。患者さんから『ありがとう』と温かい言葉をかけてもらい、頑張ろうという気持ちが奮い立たされた。看護をすることは、命を預かり、死と向き合ったり、生きたい気持ちを汲み取り、何ができるか命の重さを感じる」と涙ながらに話し、喜びをかみしめていた。
 26名の卒業生は、看護師として市内12名、札幌10名、道内1名、道外1名、進学(北大・札幌市立大)2名とそれぞれの進路に旅立つ。
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