水芭蕉や座禅草が開花!なえぼ公園の自然館開館

 冬期間閉館していた、なえぼ公園森の自然館(幸1)が、春の訪れとともに、4月11日(金)に開館した。
 なえぼ公園では、まだ、辺り一面雪が降り積もった状態だが、散策路を除雪し、待ちわびた市民らが、ウオーキングやバードウオッチングを楽んでいた。
0411naebopark1.jpg 同園は、1893年(明治26年)11月に、小樽苗圃(びょうほ)として開設。1994年(平成6年)に、31.1haの面積を取得、1995年(平成7年)に森の自然館を建設し、1997年(平成9年)5月に自然生態観察公園として開園。600種類以上の昆虫や、60種類以上の野鳥、約3,000本のエゾヤマザクラが咲き乱れ、花見のスポットとしても市民に親しまれている。1998(平成10)年には、第3回ふるさと景観賞を受賞している。
 森の自然館は、2002(平成14)年から、冬期間に土・日曜日のみ開館していたが、2003(平成15)年から冬期間は閉館している。開館時には、スタッフ2名が常住し、公園内の草刈等は、シルバー人材センター2名が行っている。学習室や図書コーナー・工作室・展示室があり、身障者用のトイレを設置。野鳥観察会や自然観察会、夏休みには植物の標本作りやリース作りなどが開かれている。
 また、野鳥の会小樽支部のメンバーが、毎月探鳥会を開いている。セミナー室は27名収容でき、俳句の会や盆栽の会などが例会に使用し、空きがあれば無料で借りることができる。
0411naebopark2.jpg 平成20年に公園内のトドマツの枯れ木に、クマゲラが巣を作り話題となった。枯れ木を切り、切り株を館内に展示している。巣の入口は、地上5m25cmの高さに開けられ、深さは45cmもあった。そこからクマゲラ4羽が巣立っていった。
 他にも、テンやオジロワシの剥製、カービング作家の佐藤友保氏寄贈の野鳥の数々、同公園に咲く花たちを貝殻に描いた作品、木の標本や蜂の巣などを展示している。
 同公園に通う市内在住の大湯崇夫氏は、エゾリスやエゾトガリネズミ(モグラの仲間)、野鳥を絶妙なタイミンで捉えた写真を提供し、2ヶ月ごとに写真を更新している。写真を提供して9年になる大湯氏は、「2月に同公園で、9匹のエゾリスを確認した。先日は身ごもったリスにも遭遇している」と公園内の動物に詳しい。
 きのこの会の高田洋二氏は、ハルシメジやムラサキホウキタケなど4枚を展示し、あまり見かけないきのこのに興味を示す来館者も多い。
0411naebopark3.jpg 館内常勤の志摩俊樹指導員は、「これから、カタクリやエゾエンゴサクが咲き、良い季節となる。ぜひ、ここを利用し自然を楽しんでもらいたい」と話した。
 開館に合わせたように、園内には、春の訪れを告げる水芭蕉が顔を出し、エゾリスや珍しい冬鳥のイスカなどにも遭遇した。写真愛好家らは、シャッターチャンスを狙いカメラを構えていた。
 同館から700mほど歩くと、「座禅草の湿地」があり、一昨年から、干ばつしていた湿地の草を刈り、水が流れるように整備したお陰で、今年は、雪解け水が流れるせせらぎから、あちらこちらに座禅草が顔を出し、いつもより数が増えていた。辺りは、雪が70cmほど積もった状態ではあるが、雪解け水が勢い良く流れる音や鳥のさえずりが聞こえ、水たまりには、カエルの卵を発見するなど、雪深い森にも春の足音が聞こえている。
 散策中の市民は、「ウグイス、ルリビタキなど、これから次々と飛んで来て楽しみ」と話し、女性2人連れは、「今年は雪が多くて水芭蕉も遅い。散策を楽しんでいる」と話した。

 なえぼ公園森の自然館
 開館期間:4月11日(金)〜11月9日(日)
 開館時間:9:00〜17:00(10月1日からは16:00)
 休館日:毎週月曜日(月曜日が休日の時はその翌日)・入園無料
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