多彩な表現 61年の伝統 "小樽チャーチル会展"


 第61回目となる「小樽チャーチル会展」が、4月23日(水)から27日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー・市民ギャラリー1・2で始まった。
churchillten1.jpg 同会員7名と賛助者2名、故人2名による6号から50号までの67点を展示している。会員がこの絵画展のために、作品づくりに励み、自分で気に入った油彩・水彩を持ち寄り、発表している。
 
 同会の現在の会員は、50代から80代までの11名。年2回の写生会の他、それぞれが所属する会や自宅で作品づくりに励んでいる。
 同会は、イギリス戦時内閣(1940~1945)のウィンストン・チャーチル首相が、世界平和を願い、日曜日に絵画を楽しんでいたことに倣って作られた全国的な会で、小樽も最初は所属していたが、脱退しても会名は引き継ぎ、現在まで61年もの歴史を重ねてきた。
 高橋晟さんは、絵を描いて30年となり、春や秋、残雪の森の風景を出展。「皆さんに見てもらうために分かりやすい絵を用意した。絵を描くことが好きで、来場者にも喜んでもらえればと思う。年に一度の機会なので多くの方に見てもらいたい」とPRした。
 田中稔さんは、今年も14点と一番多く出展し、会場を絵でいっぱいにしたいとの強い責任感を持ち、作品作りに励んでいる。churchillten2.jpg以前に旅行したエジプトのアブシンベル大神殿、カンボジアのバイヨンの微笑、オーストラリアでの街路樹に広く使われているジャカランダの並木など、旅の思い出の作品が並ぶ。最近では、冬季オリンピックフィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生選手の肖像画もあり、広いジャンルをテーマに楽しみながら描いていることが伝わってくる。
 これから迎える桜の季節を先取りして、小原未知世さんは桜の風景画を出展。満開の桜や暗闇に浮かぶ桜、夕暮れの桜など、どれも桜が主役で、女性らしいきめ細やかな表現に、市民は立ち止まり鑑賞していた。
 富樫英治さんと岩崎正さんの遺作は、どれも市内の風景を描いたもので、会員は絵を鑑賞しながら、故人を偲んでいた。
 第61回小樽チャーチル会展 4月23日(水)〜27日(日)10:00〜17:00(最終日16:30)
 市立小樽美術館(色内1-9-5)市民ギャラリー 入場無料