成長期のスポーツ障害 済生会小樽病院"市民公開講座"


saiseikaiseminar1.jpg 済生会小樽病院(築港10・近藤眞章病院長)では、6月27日(金)18:30から20:00まで、道新ホール(稲穂2)3階ABホールで、市民公開講座「成長期のスポーツ障害」を開いた。
 早期発見と予防法について、整形外科医4名が、それぞれの専門分野から分かりやすく説明。北照高校野球部員20名をはじめ、スポーツ指導者、市民など90名が参加した。
 講師陣は、済生会小樽病院・和田卓郎副院長や三名木泰彦部長、札幌医科大学整形外科・廣瀬聡明助教、同理学療法学科第二講座・渡邉耕太教授の4名。それぞれが専門とする手や肘、肩などのスポーツ障害について、ひとり20分以内で講演を行った。
 今年4月に着任した上肢やスポーツ医学で著名な和田副院長から始められ、成長期の骨や筋肉についてや投球障害による野球肘(離断性骨軟骨炎)について話した。
 13歳と16歳の男性の事例を上げ、特徴的な症状や治療方法を説明。内視鏡による摘出手術の様子などが映像で流れた。最悪の場合は、軟骨移植となり、そのような状況を防ぐためには、予防が大切であると強調した。紋別市で開かれた「少年野球検診」にも触れ、スポーツ障害の予防に繋げるために小樽でも開催したいと話した。
saiseikaiseminar2.jpg 和田医師は、「当病院はリハビリが充実し、小樽で怪我をした子ども達には、全国水準の治療ができ、地元での治療が望ましい。病態を理解し、その予防に役立ててもらいたい」と話した。
 引き続き、廣瀬氏は、肩のスポーツ障害の投球障害について、三名木氏は背骨のスポーツ障害について、最後には、渡邉氏が下肢のスポーツ障害について話した。
 その中で、怪我をしない体を作るためには、軸を作ることと体をやわらかくすることの2つを上げ、成長期の代表的な下肢スポーツのオスグット病や疲労骨折についても事例を上げて説明。渡邉氏は「後遺症を残さない。リハビリして競技力を向上させてもらいたい」と締めくくった。
 その後、質疑応答の中で、北照野球部員のひとりは、アイシングの時間について質問し、「練習後15分くらいの時間で良い。長時間は必要ない」と回答した。
 北照高校野球部村原雅司くん(2年)は、「怪我が多く、予防の方法が聞けて良かった。ストレッチの種類も覚え、ためになった」と話した。
 なお、9月23日に「済生会健康まつり」を開催。元スピードスケート選手の岡崎朋美さんの出席を予定している。
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