客船「ダイヤモンド・プリンセス」 半日の小樽滞在

 小樽港に入港した客船の過去最大級の「ダイヤモンド・プリンセス」(総トン数115,875トン)が、6月7日(土)6:00に勝納ふ頭に入港した。昨年入港した「サン・プリンセス」(総トン数77,441トン)を上回る大きな客船とあって注目が集まり、周辺の道路は、見物客の車で渋滞した。
 04:30頃、巨大な船体が小樽港外に姿を現し、06:00からの入港には、小樽クルーズ客船歓迎クラブが出迎えた。寄港を歓迎するイベント「ウエルカム・フェスタ」が開催され、大勢の人々が詰めかけ賑わった。
0607diamondprincess1.jpg 10:40から、船内18階スカイウォーカーズ・ナイトクラブで、入港歓迎式典が開かれた。グラハム・グットウエイ船長、ダン・シュタイン・クルーズディレクター、ナイジェル・スチュワート・ホテルジェネラルマネージャー、中松義治小樽市長や横田久俊市議会議長らが出席。
 中松市長は、「過去最大級のダイヤモンド・プリンセスが勝納埠頭に無事入港し、大変うれしく思う。小樽市では、人気の観光スポットの運河や石づくりの建物が独自のまちづくりを形成し、国内有数の観光地である。食べ物も美味しく、市内には100件のすし店があり、是非滞在中は、新鮮な海の幸を堪能してもらいたい。小樽港周辺の果物などの農産品がある余市・仁木や、水産品や海岸線が人気の古平・積丹へも足を運んでもらいたい。岸壁では、歓迎するイベントを開催し、市民と交流を楽しみ、小樽滞在が思い出に残る楽しい1日となるともに、同船が安全な航海を続けることを心より祈っている」と歓迎した。
 グラハム・グッドウエイ船長は、「小樽には、美味しい食べ物や素晴らしい景色や名所があると聞いた。これから楽しませてもらいたい。本日は、乗客も乗組員も楽しい1日を過ごすことでしょう。今後の寄港も楽しみしている。長い関係を持つ最初の一歩となる」と挨拶した。
0607diamondprincess3.jpg 中松市長から盾や記念品を、グラハム・グットウエイ船長から盾や船の模型をプレゼントされ、硬い握手を交わした。
 その後、船内見学会が開かれ、公募の一般市民100名が、3つの班に分かれ船内を見学し、ゆったりとした豪華な船旅に思いを馳せた。
 同船は、英国船籍でプリンセス・クルーズ社所有。2004年に長崎・三菱造船所で建造され、国内建造では最大の客船。今年、初めて横浜発着の「北海道周遊とサハリン10日間」で、横浜・釧路・知床・コルサコフ(ロシア)・小樽・函館・青森・横浜の9泊10日間のクルーズ。今回と合わせて7回の寄港を予定している。
 このクルーズに合わせ、海外船籍では世界初の日本風大浴場施設(大浴場と露天風呂)や寿司レストランを新改装した。日本での建造とあって、内装はアジアを意識した和のティストを取り込んでいる。
 60階建てのビルを横に倒したような同船は、フロアは17階、デッキは18階まで。乗客エリアは5階以上で、4階以下は、乗務員エリア。8階から12階が客室となっている。
 プールは4ヶ所、サウナやエステ、スポーツジムで体を動かし、早朝から深夜まで利用できるバイキングレストランなどメインダイニングが5ヶ所、本場アメリカのステーキハウスやプールサイドでもピザを楽しめ、あらゆる食べ物を提供し、乗客の食欲を満たす。

 5階から7階まで吹き抜けとなるアトリウムで、フォーマルパーティやキャプテンパーティが開かれ、シャンパンタワーを楽しむ。ホイールハウスバーでは、生バンド演奏や700名収容のシアターで映画やショーが開かれる。カジノや免税店、インターネットカフェなども充実している。
 船をバックに勝納埠頭では、様々なイベントを開催し、大勢の人で溢れた。特設ステージでは、小樽・札幌からのアマチュアバンドやダンスグループが出演し、運がっぱをはじめとするゆるきゃらが会場を盛り上げた。
 小樽観光協会や北後志産品の販売を行う各観光協会のブースやフリーマーケット、あんかけ焼そば親衛隊、スープカレーなどの飲食ブースなどが立ち並び、大勢の人が行き交った。
0607diamondprincess2.jpg 小樽桜陽高校茶道部36名がお茶を提供し、書道やけん玉を体験。けん玉にペイントしてオリジナルけん玉も作った。新倉屋では、今回に合わせ限定品の「小樽焼き」を実演販売した。
 小樽商科大学写真部では、手作りのポストカードを販売し、3年生の佐藤愛香里部長は、「写真部は、普段は内側だけの活動だが、今回は外へ出て、外国人と接し、有意義だった。お客さんにも喜んで買ってもらった。小樽は港町なので、小樽の活性化となり、乗客も楽しい充実した旅になると思う」と話した。
 体験コーナーを総括する夢笑未来工房・渡邊充康代表理事は、「客船が入港しても誰もいなくて寂しいと書かれたツイッターを見つけ、参加した。毎回寄港するたびに、開きたいくらい。今後の土台作りを行ない、小樽を盛り上げていきたい」と話した。
 下船していた乗客は、小樽・札幌などを観光し、17:30には帰船した。同船は、半日だけの短い滞在で、夕日を浴びながら、名残を惜しむ長笛を鳴らし、18:00に函館港へ向けて出航した。次回は、6月25日(水)に寄港を予定している。
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