10回目を迎えた「2014小樽フォト虹彩写真展」が、8月20日(水)〜24日(日)、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリー1・2で開かれている。
個性豊な60歳前後の男女7人が、それぞれにテーマを決め、その持ち味を活かした個展が集まった写真展を展開している。作品数は、昨年の71点を超える84点を展示している。
全日本写真連盟が前身となり、2005(平成17)年に井上雅博会長が立ち上げ、毎年作品展を開催し、楽しみにしているファンも多い。
作品展前日に会員が集まり、2時間かけて会場づくりを行った。昨年同様、会場の照明を落とし気味にして、作品の中心を床上1m45cmの位置に合わせ、作品を見やすくするなど展示に気を配っている。
同会の活動は、2ヶ月に1度の例会を開き、作品を持ち寄りアドバイスし合いながら、今後の作品づくりに活かしている。また、年2〜3回ほど撮影会として、積丹方面や古平の火渡りなどへ出かけている。今年は、秋にレクリエーションを兼ねた撮影会を予定している。
カラー写真が多い中、佐藤通晃さんは、1985(昭和60)年9月23日に、北海道で初めて障がい者列車「ひまわり号」が札幌駅から出発し、余市駅まで走行した時のものや、余市町でぶどう狩りや海へ行き、参加者の様子をモノクロ写真で捉えた36枚を4つ切りサイズに、自分で現像し、4枚ずつパネルにして展示した。
参加者は笑顔があふれ、撮影者の佐藤さんも何の遠慮もなく、見たままの様子を正面から撮影し続け、何十年ぶりに海へ来た人や、波の音に耳を澄ます少女、美味しそうにぶどうを頬張る人の笑顔など、来場者の心に残る写真が並んでいる。
佐藤さんは、「今までと違った写真を選び、違う活動が見えてくると思う。写真の中の人物は、皆いい顔をしている。楽しさを感じてもらいたい。当会は、自由で個性が伸びる会。肩がこらない写真展と評判をもらっている。この機会に是非、見てもらいたい」と話した。
井上会長は、”WALL(壁)”をテーマに、壁の断片を切り取って撮影し、パネル張りにして1つのアート作品に仕上げている。井上さんならではのセンスが光る。
髙橋孝二さんは、妻が育てた花をテーマに出展。黒い紙をバックにライトをあて、スタジオ撮影の雰囲気を出している。人を見る眼差して、花をじっくり撮影した作品。
右近純子さんは、窓越しの風景を集めた「私の好きな窓から…」をテーマに、独自の世界感で撮影を楽しんでいる。右近さんは、窓が好きで、いろいろな物が見えてくるという。ニッカウイスキー工場やホテルの窓から見えたものや、窓ガラスに後ろの風景が反射し、自分だけが見える世界を撮影しているものなどが並ぶ。
「窓に映る景色を、ひと捻りふた捻りした写真を発表し、どうやって写したのと聞かれるのが好きで、窓から見えるものだけじゃなく、映り込んだものを交えて撮影し、その発見が楽しい。同じ場所でも、季節や光の加減で違う景色が見えてくる」と話した。
入会3年目の木村世記子さんは、うっとり眺めていいな~と思う所”眺望”をテーマに、積丹やニセコ、小樽の気に入った眺めを写して出展。霧の塩谷海岸やオタモイの夕日、自宅から見える景色などを集めた。木村さんは、「3年間楽しくて沢山写した。自分の好きな写真へのベテランの意見の違いやアドバイスを聞き、次回の撮影に活かしている」と話した。
2014小樽フォト虹彩写真展 8月20日(水)〜24日(日)10:00〜17:00(最終日16:30)
市立小樽美術館(色内1-9-5)1階市民ギャラリー1・2
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