亡夫の思いを大切に!将来の子ども達へ寄附


 市内在住の小笠原アイさん(85)は、昨年9月29日に90歳で亡くなった夫・欽一さんの思いを受け継ぎ、一周忌にあたり、小樽市奨学資金基金に100万円を寄附した。
 その行為に感謝し、篤志者表彰状授与式が、10月1日(水)10:30から、小樽市役所(花園2)別館3階第1応接室で開かれ、息子夫婦と一緒に出席したアイさんへ、中松義治市長から表彰状が手渡された。
ogasawarakifu.jpg アイさんは、「主人の気持ちを大切にして、子ども達のために少しでもお役に立てればと思う」と話した。中松市長は「子ども達のために、大事に使わせてもらいたい」と話した。
 夫の欽一さんは、市内や後志の小中学校の教員を務め、30年前に塩谷中学校の校長を最後に定年退職をした。妻のアイさんに、生前、よく教え子の話をし、教え子達を連れて、ニセコの山へ出かけたり、常に可愛がっていた。
 そのため、退職後も、教え子達と長年繋がりを持ち続け、信頼関係を築いていた。欽一さんは、教員時代、住吉中学校や末広、石山、豊丘(余市)、常盤(赤井川)など9校に赴任し、「赴任した学校がほとんど廃校になっていく」と話していたそうだ。晩年、子ども達を思う気持ちはいつまでも強く、沢山の教え子達に見送られたという。
 「最後の赴任先・塩谷中学校へと思ったが、生活が困窮している子ども達にと寄附を申し出た。主人も安心していると思う」とアイさんは話した。