赤銅色の月がぽっかり! 皆既月食観測

 月が地球の影にすっぽりと入る天体現象「皆既月食」が、10月8日(水)に、日本全国(石垣島以西の地域は月出帯食)で見られた。欠け始めから終わりまでの全過程を、見やすい時間帯で観測できる絶好のチャンスとなり、天文ファンにとっては、待ち焦がれた日となった。
 小樽での皆既月食は、2011年12月10日にあり、3年ぶりとなる。関連記事
totaleclipse.jpg 3時間以上に及ぶ天文ショーの今回の皆既月食は、18:14に部分食が始まり、徐々に月が欠けて見え、皆既食は19:24に開始し、影になった部分が赤みを帯びて、食の最大となる19:54には、全体が赤銅色に染まった月の姿となった。皆既中の月の色の変化が見所となる。20:24まで皆既食は続き、その後は、左側から明るくなり、21:34には、本来の満月に戻った。
 小樽市総合博物館(手宮1)では、星空観望会「皆既月食を見よう!」が、18:00から開催され、同館ボランティアの協力を得て、望遠鏡が4台セットされた。その様子を見ようと市民ら約70名が参加。空は晴れ渡り、皆既月食の様子を終始楽しむことができた。
 小樽市内では、16:57に東の低い位置に月が昇り、部分月食が始まる頃には、観測しやすい高度となり、月の左下側から欠けていく様子を観測した。
 同館大鐘卓哉学芸員は、月食の解説の合間に、普段見つけ難い天王星も、月食のお陰で見つけやすく、望遠鏡や写真で来場者に見せた。また、星の解説や天の川を観察し、様々な天文の話など、盛りだくさんに進められ、参加者を楽しませた。

 皆既中の月は、赤銅色となり、歓声が沸き起こった。青い光は、波長が短く大気に散乱し届かないが、赤い光は散乱されにくく、大気を通過して月まで届くため、赤黒く見える。
 いつもと違う月の様子を、カメラに収めたり、双眼鏡で眺めたり、天文ショーに満足していた。
 市内在住の今野さん家族は4人で参加。「綺麗だった。天王星が見られて良かった。月はいつも気にして見ている。不思議な現象。次回の皆既月食もみんなで参加したい」とぞれぞれに満足した様子だった。
 次回の皆既月食は、2015年4月4日に天候が良ければ見ることができる。
 国立天文台〜皆既月食2014年10月8日