見て・触れて・遊んで・作って"木のおもちゃ展" 市立美術館


kinoomocha1.jpg 市立小樽美術館(色内1・佐藤敬爾館長)では、親子のための展示会「伊藤英二 木のおもちゃ展」を、10月18日(土)から12月28日(日)まで、同館2階企画展示室で実施している。
 18日(土)9:15から、開催を祝うオープニングセレモニーが同館内2階ロビーで開かれ、故伊藤英二氏の夫人光枝氏をはじめ、同館関係者・同館協力会・小樽商科大学マジプロメンバーら約30名が参加した。
 伊藤英二氏(1932-2012)は、北海道常呂郡相内町(現在の北見市留辺蕊町)で生まれ、中学校教諭として障害児教育に携わり、教育方法として木のおもちゃを取り入れた。1960(昭和35)年頃には、息子に手作りした木のおもちゃを与え遊ばせていた。
kinoomocha2.jpg 1982(昭和57)年、自宅隣に「といこうぼう」を作り、「見て・触れて・遊んで・作って」をテーマに、木のおもちゃ作りに精力的に取り組んだ。1997年に西興部村の森の美術館館長に就任。その後、活動が高く評価され、北海道地域文化選奨を受賞している。全国各地で展示会を開催し、小樽では、1994(平成6)年に、旧青少年科学技術館で特別展として催し、大盛況だった。
 北海道から発信された「木育」は、全国各地で関心が集まる中、今回、会場には、伊藤氏がデザインした木馬や動物など170点を展示し、ひなまつりや五月人形、クリスマスなどを集めた「木と子のまつり」コーナーでは、さらに約100点を展示。作品をじっくり鑑賞する展示ゾーンと、靴を脱いで直接作品に触れて遊ぶ体験ゾーンで構成している。
 木の持つ質感や素朴な木目や色を生かし、丸みを持たせたデザインが施された作品で、木馬では、馬や犬をデザインし、大人が乗って遊ぶこともできる。直径2〜4cmほどの楕円や球形の木の玉が沢山入った「木のプール」では、木の玉を砂に見立て、砂遊びのように遊べ、子どもから大人まで、プールに入り体感していた。

 他にも、滑り台や積み木、オートバイやクラシックカーなど木で作ったおもちゃが会場いっぱいに展示され、道産のエンジュで作った留辺蕊森林鉄道の機関車は、大雪山の風倒木を運ぶ様子を再現している。
 光枝夫人は、「ぜひ、会場に来て全部を楽しんでもらいたい。大人も楽しめます」とPRした。
 小樽商大2年の村上浩太さんは、「本気で遊んでしまった。子ども達も美術館へ来て、まずは作品に触れ、そこからイベントを楽しんでもらえればと思う」と話した。
 商大生が小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト「マジプロ」では、”小樽美術館の振興”と題して、ゼミ生4人がメンバーとなり、同展示会にあわせ、10月22日(水)に、ワークショップ「アートピクニック」を開催。杉の子保育園の園児が参加する予定。
 同館関連事業では、小学生以上を対象に、11月15日(土)「どうぶつカー作り」や12月13日(土)「光るクリスマスツリー」の開催を予定している。
 森の美術館「木夢(こむ)」
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