学力テストと学校・家庭の課題は? 菁園中で考える会


 小樽市立菁園中学校(花園5・和田悦明校長)では、10月27日(月)18:30から、本校1階多目的室で、全国学力・学習状況調査結果の報告と、そこから見えてくる学校や家庭の課題について考える会を開き、保護者をはじめ、市内の学校関係者や町内会などから33名が出席した。
seientestseminar1.jpg 同校PTA事務局が主催する同説明会は、市内でも初めての取り組みとなり、同校だけの問題ではなく、各家庭や学校・市P連、小樽市全体が取り組みべき問題として広く周知し、関心や意識を高めたいと開催された。
 平成26年度全国学力・学習状況調査が、4月22日に小6と中3を対象に行われ、その結果を8月下旬に発表し、10月9日にWeb上で公開している。
 同説明会では、本校3年生の結果から、全国や全道平均を下回り、携帯電話やスマートフォンなどの使用状況と学力との相関関係について分析した内容を説明し、引き続き、保護者のための情報モラル教室が開かれた。
 同校齋藤敏弘教諭から、学力テストの国語A・Bと数学A・Bの結果を、全国・全道平均と比較分析し、課題や改善策について報告があった。
 国語の問題では、小学校で習う漢字が書けなかったり、長文で回答する問題にも、全国平均と大きな差があった。数学では、基礎的な計算や反比例や長文の問題など、小学校内容が定着していないことが見えてきた。
 また、学校生活や学習習慣などについてのアンケート結果についても説明があり、その中で、家庭学習の習慣がない、2時間以上テレビやゲームをする割合が高く、制限なく使用している傾向があった。スマホでメール等をしている割合が、全国よりも高いことが分かり、改善点が伝えられた。
 引き続き、「情報モラル教室」が開かれ、同校事務職員の藤平繁範氏が講師を務めた。同氏は、小樽市中学校情報モラル対策委員会副委員長やネットいじめ対応アドバイザーとして、小樽・後志を中心に、小中学校で、児童・生徒、保護者や教員に「情報モラル教室」を開いている。学校や家庭での情報モラル教育の充実を図り、通信機器に関わる最新情報を発信している。
seientestseminar2.jpg スマホや携帯・ネットの危険性について、生徒をどう導くか、地域や保護者の関わりについて語った。
 ゲーム機といえども、ネットに接続することが可能で、写真や動画を撮影し、インターネットを通じて配信。プリペイドカードの交換や見知らぬ大人とのチャットができ、電話機能もついている。それにまつわる危険性について触れ、ネット依存性となるケースの実情を示した。ルールの無い危険生を指摘し、ルールづくりの大切さを強調した。
 質疑応答では、市内他校のPTA事務局員は、家庭での使用状況を伝え、「スマホやゲーム機を持たせるからには、親も覚悟して真剣に取り組み、勉強して知識を持ち、知っていることを分からせる必要がある」と話した。
 同校田中PTA会長は、子どもの安全のために、スマホや携帯を持たせることはいなめないとしながらも、「ルールを決めて使わせ、家庭内でのコミュニケーションに取り組む。今後、生徒会とPTAが話し合いたい」と話した。
 和田校長は、「PTAが提案して充実した会となった。生徒会とPTAの話し合う取り組みは、学校側からも協力したい。個々の家庭だけではなく、学校や地域、小樽市全体で取り組むことが、子ども達の幸せに結びつく。学力テストの結果は、学力の側面を見るだけではあるが、結果をしっかりと分析し、取り組むべき重要なデータとなり、きっかけともなる。今後、教育に邁進し、一緒に頑張りましょう」と話した。
 平成26年度全国学力・学習状況調査結果
 小樽市立菁園中学校HP