心肺蘇生法を体験! 桜町中で救命講習会


sakura-aed1.jpg 小樽市立桜町中学校(桜1・藤崎淳校長)は、11月20日(木)3・4時間目を利用して、同校1階体育館で、2年生95名を対象に「救命講習会」を行なった。
 保健体育科の授業の一環として、中学校学習指導要領に示される水泳事故の防止に関する心得や心肺蘇生法についで学ぶことを目的で行われ、北海道海難防止・水難救済センター(札幌市中央区)の7名が講師を務めた。
 同センターは、1971年7月に設立され、各地で海難防止の安全指導や啓発活動、水難救済活動等を行っている。久保田八十夫氏は、「当センターは、漁船の海難事故の未然防止や救難所の事務局となる。韓国でフェリーが沈没し、修学旅行中の高校生が亡くなった。イカダやライフジャケットで助かった人もいた。万が一の事故に遭う時知っていてもらいたいことや、溺れた人への対応。AEDを使った心肺蘇生法を学んでもらいたい」と挨拶した。
sakura-aed2.jpg 会場には、救命いかだと6体のダミーやAEDがセットされた。救命いかだは6名乗りで、3日分の食料や飲料水・薬箱・信号灯・空気入れ・救命胴衣などが備え付けられている。実際に積まれている非常食を、全員で実食。次に、生徒6名が6種類の救命胴衣(ライフジャケット)を装着し、救命いかだに乗船した。救命胴衣は、腰や肩に付けてから手動で膨張させるものや、発泡スチロール入りのものなどがあった。
 その後、6班に分かれて、心肺蘇生法を実践した。各班の講師は、手本を見せながら詳しく説明。生徒達は、積極的に参加していた。救命措置の手順に沿って、意識を確認し、呼吸の有無を調べ、救急車やAEDを持ってきてもらうよう声かけをした。
 胸骨圧迫では、手を当てる場所が正しいかどうか、訓練用の装置があり、場所がずれるとランプがつき、正しい場所を確認しながら行われた。
 正しい胸骨圧迫は、少なくても1分間に100回、深さは5cm(小児は胸の厚さの⅓)と説明。人工呼吸は、気道を確保して鼻をつまみ、空気を入れる。胸骨圧迫30回と、人工呼吸2回を繰り返し行うことが望ましい。
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 生徒達は、説明を真剣に聞き、興味を示していた。実際に体験した生徒からは、「難しい」との声があった。AEDの使い方も交代で実践し、有意義な時間を過ごした。
 酒井なぎささんは、「もしも、このような場面があったらと、今日の授業を通じて、対処法を知ることができた。色々な場所でAEDを目にし、興味があったが、使えるようになって、人を助けてあげたい思う」と話した。
 藤崎校長は、「水難事故防止と関わる救命方法について学び、保健体育の授業の一環で、初めて行なった。子ども達が、AEDを使えるように実習することも目的のひとつ。今後、毎年2年生に授業ができればと考えている」と話した。
 北海道海難防止・水難救済センターHP