新小樽市立病院 紆余曲折の開院!

 長年にわたる紆余曲折を経て、12月1日(月)、市立小樽病院と小樽市立脳・循環器・こころの医療センターを統合した新小樽市立病院(若松1・馬渕正二院長)が、ようやく開院した。
newotaruhospital1.jpg 同館1階エントランスホールで、7:30から、関係者13名によるテープカットで開院を祝い、同館2階講堂で、開院記念式が開かれた。中松義治市長をはじめ、馬渕院長、小樽市病院事業管理者並木昭義病院局長、市議会議員、病院施設建設企業、病院関係者ら約70名が出席した。
 中松市長は、「小樽市民が長年に渡り待ち望んでいた小樽市立病院の開院を迎えた。多くの課題を抱えていたが、市民の安心で安全な生活に大きく貢献するため、両病院の統合新築のために全力を尽くしてきた。本日、開院を迎えることができ感慨に堪えない。思い返すと、建設地や財源、入札など様々な問題が発生し、並木病院局長をはじめ、職員とともに、解決策を探り、関係機関との協議を進め、ひとつひとつ問題を克服し、開院を迎えた。今後、同院は、市民や地域の皆さんが医療面で安心安全な生活を送れるよう、全力を尽くしたい。また、災害が発生した際には、災害拠点病院としての機能を十分に発揮し、市民の皆さんを支援してまいりたい」と式辞を述べた。
newotaruhospital2.jpg 並木病院局長は、「市民の長年の夢の病院開院には、多くの困難や問題に直面してきたが、関係各位の支援や努力により、問題を乗り越え今日に至った。また、この経験は我々にとってありがたく、今後大いに役立つと確信している。これから大切なことは、この病院が円滑に診療、経営が行われ、患者や市民に喜ばれる診療、地域に貢献できる病院となるよう、職員一同力を合わせる覚悟である」と挨拶した。
 閉会後、同会場で、中松市長・並木病院局長・馬渕病院長・近藤吉宏院長代行が出席して、記者会見が開かれた。
 中松市長は、「信頼できる建物ができ、中身をしっかりとして、職員一体となり運営に取り組みたい」と話し、並木局長は、「小樽市や医師会へ橋渡り役となり、情報を公開し共有し活用する3つのことを行い、お互いに分かり合い、市や医療団体等とは、円滑な関係を結んでいく。これが、市民のためになる。今後も連携を深め、小樽市だけでなく、後志地区の医療が円滑に行われるよう力を尽くしたい」と期待した。
 ◎質疑応答
 Q:円滑な診療や、ガン・神経疾患・心臓疾患に力を入れていくと言われたが?
 A:並木局長は「医療は確実に変わり、必ず、役割分担がある。小樽後志の総合病院となって、札幌へ行かなくても治療できる機器を揃え、患者さんにはここで治療してもらいたい。最良な医療を行う総合病院としたい。
 Q:新病院の特徴は?
 A:特徴は、災害に役立つヘリポート、がん治療や脳血管の検査・治療のために放射線に力を入れ、PET(がん検査)やCT(高精細画像)、リニアック(放射線治療装置)を導入し、12月から専門の治療医が勤務。さらに、札幌へ行かなくても、精度の良い、最新の治療を受けることができる。
 インターネットを用いて医療機関へ広め、情報を共有することに積極的に取り組む。地域医療連携室を設け、病院の情報を公開し、患者さんにどんなことを行っているか知ってもらいたい。これからは、医療機関も選ばれる時代となり、患者さんのニーズに合い選ばれる病院にしたい
 Q:病院の経営について小樽市立病院経営改革評価委員会の指摘等について
 A:同じ規模の病院では、ここの倍の医師が働いているため、医師の確保に重点をおき、大学方面に声をかけている。今までなかった整形や産婦人科の先生にも復活してもらいたい。新築効果があり、働きたいと応募があったり、来年度から5名の研修医や、北大からも2名の研修医を派遣したいとの話がある。より医師の確保に努めたい。
newotaruhospital3.jpg 1階外来では、開院時刻の8:00前から混雑を避ける患者の来院が始まり、新しい病院に不安げな表情を見せていた。案内をする職員は対応に追われていた。
 開院に備え、予定通り11月30日までに両病院の入院患者の搬送は完了した。現在の駐車場は、正面玄関右手に20台駐車可能。その他には、病院から少し離れた場所となる臨時駐車場3ヶ所に約100台を確保。平成27年10月頃までに、旧病院跡地に約250台を収容する駐車場の完成を予定している。
 しかし、病院規模からも、駐車場不足は明らかで、今後の混雑は必至の情勢だ。周辺からは実情を無視した病院局の駐車場計画に大きな懸念が広がっている。
  小樽市立病院
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