フッ化物洗口の説明会 市教委は早期実施方針


 むし歯予防手段として有効とされる「フッ化物洗口」に係る保護者向けの説明会が、12月22日(金)18:30から20:00まで、小樽市民センター(色内2)マリンホールで開かれ、保護者ら40名が参加した。
 小樽市教育委員会が主催し、2009(平成21)年にフッ化物洗口の普及をすすめる「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」により、道内各地で広がり、小樽市においても、フッ化物洗口の集団実施に向けて、フッ化物について理解を深めてもらおうと開いた。
1222fssodental1.jpg 小中学校におけるむし歯の現状とフッ化物洗口について、小樽市歯科医師会・市村昌久会長と同会上浦庸司理事(学校歯科)が講師を務め、フッ化物について分かりやすく説明し、安全性や有効性について示した。
 学校歯科の上浦氏は、小樽市の児童のむし歯の現状について、全国平均を上回り、二極化していることを示した。フッ化物は、お茶や野菜などにも含まれ、市販のはみがき粉の90%に配合されていると説明し、アレルギーやトラブルはないとした。
 フッ化物洗口は、フッ化物水溶液を用いて、ブクブクとうがいを行う方法で行い、酸に溶けにくい丈夫な歯質にすることができる。うがいができる4歳頃から始め、永久歯が生え揃う14歳頃まで効果があり、始めて2〜3年後に効果が現れる。
 健康の定義からもむし歯予防は重要で、学校など集団で実施することにより、長期的に継続でき、自分の健康は自分で守り、むし歯のない子がいる中で、むし歯の多い子もいる二極化をなくすことができるとしている。
1222fssodental2.jpg 説明会実施の伝達が不十分で、悪天候や年末などの理由から40名ほどの参加者となり、フッ化物洗口へ不信感を募らせた保護者が多かった。
 質疑応答では、小樽市としての今後の具体的な予定についてや、「劇薬扱いと聞いているが学校での保管は大丈夫か?。フッ化物洗口を実施してもらいたくない。今日の説明会では、良いことばかりが述べられ、沢山の副作用の報告もある。むし歯が多い子どもは一部。食生活やはみがき指導が大事なのでは?」と、厳しい意見や質問が続いた。
 「平成29年度までにすべての小学校で実施し、そのためには予算を確保し、来年度、モデル校(1校)を指定し実施したい。取り扱いには、徹底的に注意し、歯の健康を守るために集団で実施することで、平等に健康への格差をなくす。実施する方向で取り組んでいる」と回答した。
 一方、賛成する男性は、「子どもの歯を守ることは必要で、小学校で昼はみがきしていない学校が多く、先生と子どもが一緒に歯磨きをするように取り組んでもらいたい」と述べた。
 上林教育長は、「様々な説明会を通じて安全性を理解し、4歳から12歳くらいの段階で効果があり、実施する気持ちは変わらない。安全を信じ、早めに実施したい」と述べた。