春が来た!アザラシの引越し おたる水族館

 おたる水族館(祝津3・伊勢伸哉館長)は、冬期間のシケから守るため、越冬プールで過ごしていたアザラシを、海獣公園にある通常のプールへ移動させる引越しが、3月17日(水)9:30から2時間ほどかけて行われた。
 春の足音が聞こえ、3月21日(土)からの通常営業に合わせて、同館スタッフ7名がゼニガタアザラシとゴマフアザラシ30頭を海に隣接した夏期プールへ移動させた。
0317otaruaqua1.jpg 昨年10月中旬から大移動して5ヶ月間過ごしていた越冬プールでは、26頭のアザラシがのんびり過ごしていたところを、プールの水が抜かれ、移動の準備が始まった。
 まず、国内最長寿と思われるゼニガタアザラシのトラ(45歳)や、ゴマフアザラシのイヨ(44歳)や目の不自由なアザラシ7頭の引越しを開始。
 完全に水が抜かれた水槽に、檻が下ろされ、担当職員が檻の中に上手におびき寄せ、7頭を入れ、クレーンで吊り上げ、トラックに積み込んだ。海獣公園まで移動し、ケアプールに下ろされた檻の扉が開けられると、次々と檻を飛び出し、広々としたプールでゆうゆうと泳ぎ始めた。
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 ここのプールは、海に隣接し、アザラシの住みやすい環境に注意して作られ、自然に近い状態を保っている。プールには、ヒトデやナマコ、魚なども泳いでいる。引越ししたアザラシは、早速、ナマコを捕まえたり、いつものポーズで水面から顔を出すなど、くつろいだ様子だった。
 さらに、越冬プールの引越しが行われ、繁殖などのため4頭を残し移動した。
 従来の3頭のアゴヒゲアザラシに、新たな仲間も加わった。昨年の秋、根室半島の付け根に位置する風蓮湖近くの定置網で捕獲され、同館に保護された「風太」は、オスで推定2歳。通常営業から初公開される。
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 伊勢館長は、「住み慣れたプールに戻ってきた感じがしていると思う。海に隣接し、魚などがプールに入って来るなど、自然に近い状態で、床には自然の石や藻などがあり、ここでの飼育環境には自信を持っている。ホッケやイカナゴ・サンマ・ニシンなど、その時期に漁れる魚を給餌するようにしたい」と話した。
 現在、同館は準備期間のため休館中。3月21日(金)から通常営業を開始し、様々な企画や催しを開催し、大勢の来館者を期待している。
 おたる水族館HP
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