小樽市内手宮から祝津に抜ける道道小樽海岸公園線の手宮洞窟保存館(手宮1)脇の断崖に、雪解け時季だけに出現する”幻の滝”が、静かな水流とともに、フキノトウの芽生えで、小樽に春の到来を告げている。
手宮公園から道道までの崖地は、北海道鉄道発祥の遺産でもあるレンガ積みの擁壁が残されていることで知られている。手宮公園の残雪が解けるとともに、この崖地を雪解け水が下り、手宮の”幻の滝”を出現させる。
この手宮の滝は、1882(明治15)年、明治天皇の御行幸の時のために確保された御前水井から溢れる水によって出来る滝。通称「御前水の滝」とも呼ばれている。
例年は、3月下旬から4月初旬にかけ、手宮公園の雪解け水を集め落下する立派な滝となるが、今年は、2月末からの気温が例年より高めに推移したため、3月初旬から滝が出現した。これは例年よりは1ヶ月程度早い。
昨年まで行われていた同所の擁壁工事でも、この滝の区間は水路として擁壁工事からは外され、この区間だけがコンクリートに覆われていない。
雪解けが急激に進んだこともあり、現在では、水流はおだやかな流れとなって、静かに落下している。滝の中段には、フキノトウが芽生え、水流に洗われている。
3月8日(日)の最高気温は、12:55現在、7.2℃となっており、市内の道路からは雪が消えている。道路脇に積まれている雪も、日々、解ける割合が高まっている。この気温が続けば、市内の雪解けも一気に進み、今年は、例年より早く、本格的な春が巡ってくることになりそうだ。
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