観光シーズンに向け 天狗山ロープウェイで救助訓練

 春の行楽シーズンを迎え、4月11日からの夏期営業開始前に、不測の事故に備え、中央バス観光開発株式会社(最上2・岡田浩司代表取締役社長)と小樽市消防署(庄司孝行消防署長)は、4月8日(水)14:30から、天狗山ロープウェイのゴンラを使用して合同救助訓練を実施した。
ropeway2.jpg 消防署員12名と同社員8名が参加し、指揮車・救助工作車・ポンプ車の3台が出動した。
 「山麓駅から約70m地点で、乗客2名を乗せたゴンドラが山麓駅を出発後、電気系故障のため突然停止した。復旧の目処が立たず、消防署に救助を要請した」との想定で行われた。
 同訓練は、昭和54年12月に小樽天狗山ロープウェイが運行した翌年の昭和55年から毎年行われているもので、今年も、4月11日(土)からの夏期営業準備のためロープウェイ休止期間を利用して行われた。
 訓練では、消防車両がサイレンを鳴らして現場に到着し、救助隊員が、積雪状態のゲレンデを駆け上り、迅速な動きで、本番さながらの緊張感の中で実施された。
ropeway1.jpg 救助索発射銃で、ロープを飛ばし、救助員2名がロープを使ってゴンドラの上までよじ登り、天井から中に入り、緩降機を使って、ゴンドラの下から乗客2名を次々と脱出させた。消防隊員は、ロープを使って脱出し、訓練は無事に終了。
 庄司消防署長は、「活気のある良い訓練だった。昭和55年から継続して訓練を実施。この訓練の目的は、利用する観光客や一般市民の安心安全を守ることが第1の目的である。同様に、事業主との連携も非常に大事な目的でもある。昨年には、スキー場の関係者が遭難者を見かけ、消防に通報。警察と連携し、遭難者を救出した事案があり、連携が重要となる。このような訓練を継続して行うことで、市民の安心安全に繋がる。ロープウェイには、年間30万人を超える乗客が利用していると聞いている。これからも、継続して訓練を実施し、安心安全のために連携を深めていきたい」と講評を述べた。ropeway3.jpg
 同社・天狗山営業所の吉江翼さんは、「毎年訓練を実施し、我々も整備点検を欠かさず行い、万が一に備え実施した。事故がないように再確認する意味で、夏期営業へ向けて、お客さんを迎える体制を整えていきたい」と話した。
 天狗山ロープウエイ夏期営業
 4月11日(土)〜11月3日(火)9:30〜21:00、7月24日(金)〜8月16日(日)9:00〜21:00
 往復乗車券:大人1,140円・小人570円
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