ペンギンの海まで遠足!「おたる水族館」初企画

 おたる水族館(祝津3)は、新しいイベント「ペンギンの海まで遠足」を、5月30日(土)から10月15日(木)まで、1日1回開催する。
 5月25日(月)12:20から、同館海獣公園で、その様子が公開された。
 遠足に出かけるのは、海獣公園内の飼育スペースで生活しているフンボルトペンギン(体長70cm・4kg)。敷地内の100mほどのコースを、ヨチヨチ歩きで遠足に出かけ、海を仕切っただけの空きプール「通称:ペンギンプライベートビーチ」に飛び込み、海藻をかき分け潜ったり泳いだり、遭遇した魚を追いかけたりと、生き生きと野生に近い様子を見ることができる。
penguinwalk1.jpg 冬期営業中には、ジェンツーペンギンによる「ペンギンの冬のお散歩」が人気を集めているが、今回は、温帯地方に生息するフンボルトペンギンが活躍する。5月末から10月15日まで1日1回の海までの遠足を実施する。
 昨年6月頃から構想を練り、実施している水族館へ視察に出かけ、今年4月頃から本格的な練習を行い準備してきた。
 同館には、58羽のフンボルトベンギンが飼育されていて、ほどんどが、同館で生まれたペンギン。国内では、1,500羽が飼育されているが、野生の個体数は減少し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅の危機が増大している「危急」に指定されている。
 遠足に出かけるペンギンを特定している訳でもなく、扉を開けた時の先着順で、毎回10羽が遠足に出かける。どのペンギンも外に出たいペンギンばかりで、出発時には騒々しくなり、その様子も可愛らしい。
 ペンギンの歩くコースには、板が敷かれ、坂道からは、コース伝いにペンギンの足跡がペイントされている。担当職員に誘導されながら、ヨチヨチと愛嬌ある歩き方で、観客から歓声が飛び交う。
penguinwalk2.jpg 同館の担当者が、フンベルトペンギンの生態や日常生活にまつわる話などを解説しながら、遠足は続く。海に到着すると、元気に飛び込み、自然に癒されるひと時を過ごしている。飼育係からイカナゴが与えられ、野生に近い生き生きとした様子を観客は見入っていた。
 時間(8分)が来ると、ペンギン達は岸に上がり、帰路に着いた。遠足は25分ほどで終了。
 同館・磯谷陽一代表取締役は、「夏は、同館の恵まれた海の環境を活かし、フンボルトペンギンが歩き泳ぐ、自然の姿を見てもらいたいと、ようやく実現できた。ペンギンの生活ぶりを短縮した形で楽しんでもらいたい。ペンギン達の練習もスムーズで、選抜隊がいるのではなく、メンバーが代わってもどのペンギンも大丈夫。是非、この様子を楽しんでもらいたい」と話した。
 ペンギンの海まで遠足 5月30日(土)〜10月15日(木)
 5月30日〜8月31日12:20、9月1日〜10月15日 平日1150 土日祝12:20
 海獣公園ペンギンプール前、所要時間25分
 ペンギンの海まで遠足