管内経済は"持ち直している" 「しりべし経済レポート」


 財務省北海道財務局小樽出張所(港町5・岡田一則所長 )は、「しりべし経済レポートVol.75」(平成27年1月〜3月期)をまとめ、5月20日(水)に発表。総括判断を、「管内経済は、持ち直している」とし、6期連続据え置いた。
 個人消費は、「持ち直している」。
 主要小売店売上高動向(27年1月~3月)をみると、駆け込み需要の反動などから、前年を下回ったものの、飲食料品などは底堅く推移している。
 新車登録台数動向(27年1月~3月)をみると、駆け込み需要の反動などから、前年を下回ったものの、新型車効果により、一部に底堅い動きがみられる。
 観光は、「前年を大幅に上回る」。
 主要観光施設の入込客数(27年1月~3月)をみると、国内観光客の増加のほか、中国、台湾などを中心とする外国人観光客の増加もあって、前年を大幅に上回った。
 住宅建設は「前年を上回る」。
 住宅建設動向を新設住宅着工戸数(小樽市・27年1月~3月)でみると、貸家等が減少した
ものの、分譲住宅が増加したことから、総体で前年を上回った。
 公共工事は、「前年を下回る」。
 公共工事動向を公共工事前払金保証請負金額(27年1月~3月)でみると、前年が高水準で
あったことや、発注時期の前倒しなどから前年を下回った。
 漁業は、「水揚量、水揚金額ともに前年を下回る」。
 漁業動向(27年1月~3月)をみると、水揚量、水揚金額ともにホタテ等が増加したものの、スケトウダラ等が減少したことにより、前年を下回った。
 貿易は「輸出は前年を下回り、輸入は前年を上回る」。
 貿易動向を輸出入価額(27年1月~3月)でみると、輸出は、ロシア向け「自動車」や「ゴム製品」等が減少し、前年を下回った。輸入は、アメリカからの「豚肉」等が増加したことなどから、前年を上回った。
 金融は「貸出金残高は前年並み」。
 資金需要動向(27年3月末)をみると、管内金融機関の貸出金残高は、設備資金は前年を
上回ったものの、運転資金が前年を下回ったことから、総体で前年並みとなった。なお、貸出約定平均金利は、前月差で0.015ポイント低下し、1.635%となった。
 雇用は、「改善の動きが続いている」。
 雇用動向(27年1月~3月)をみると、有効求人倍率は、求人数は横ばいであったものの、求職者数が減少したことから、前年を上回った。
 新規求人数は、医療、福祉等が増加したものの、建設業等が減少したことから、前年を下回った。
 企業倒産は、「件数は前年同数で、負債総額は前年を下回る」。
 企業倒産動向(27年1月~3月)をみると、件数は前年同数で、負債総額は前年を下回った。
 原因別では、「放漫経営」、「他社倒産の余波」、「販売不振」それぞれ1件であった。
 平成27年1月から3月期の総括判断は、前回(平成26年10月〜12月期)を据え置き、「管内経済は、持ち直している」とした。
 しりべし経済レポートvol.75