海上保安「巡視船しれとこ」 中学生が船内見学


shiretoko1.jpg 小樽市海上保安部(港町5)は、札幌や市内の中学生を対象に、色内埠頭に停泊中の同部所属の巡視船「しれとこ」に乗船させ、船内見学及び業務体験を実施した。海上保安庁における業務の知識と理解を深めてもらうことを目的としている。
 6月3日(水)10:00と13:00から、札幌市内の中学校2校の75名が、14:00からは小樽市立菁園中学校の1年生10名が、同施設を見学した。同校では同日、1年生3クラスが18班に分かれ市内研修を実施し、その中の2班10名が参加した。
 あいにくの雨で、船内をメインとした見学となった。海上保安部の職員の誘導で、操船・通信などの指揮を行う船橋(ブリッジ)を見学し、レーダーや操縦盤の説明を聞いた。
shiretoko2.jpg 走行中の船を、双眼鏡を使って見たり、湾内から45km離れた陸地をキャッチし画面に映したレーダーの見方の説明を受けた。
 その後、3D対応の海図を見たり、船内でロープワークを体験した。急ぐ時の「巻き結び」や、解く時に素早く解ける「引き解け結び」、安全性を兼ね備えた「もやい結び」を体験。職員から手ほどきを受けながら真剣に取り組んでいた。
 もやい結びは、強固で用途も幅広く、6名の職員が手本を見せながら、繰り返し指導した。もやい結びの応用編として、海や川に落ちた時に体を安全に固定し、胴体に巻きつける結び方を実践した。不慣れなロープワークに苦戦しながらも、みんな夢中になっていた。
shiretoko3.jpg すべての体験が終わると、生徒からの質問時間があった。業務内容や海の事件・事故の緊急通報用電話番号118番の由来や、なぜこの職業に就いたかなど、職員は丁寧に回答。海上保安官の職業に興味を持つ生徒も現れるなど、有意義な時間を過ごした。
 堤貴広君は、「巡視船を見学したのは初めてで面白かった。ロープの結び方など実用的な体験もあった。海上保安官の職業に興味を持った」と話した。
 巡視船「しれとこ」は、平成21年3月に竣工。全長89m・幅11m・水深5m・総トン数約1,300トン・速力約27ノット(時速約50km)。速力・操縦性能・夜間監視能力等が向上し、機動力に優れた複合型ゴムボートを搭載し、飛行降板を有し、他の巡視船艇やヘリコプターに燃料を補給できる。領海警備業務や大規模災害時の救助業務を行う。
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