余市の砂浜で野焼き! 縄文野焼き祭り

 夏の恒例行事「よいち縄文野焼き祭り」(仲鉢浩実行委員長)が、8月8日(土)17:00から、余市栄町の砂浜(日本海余市保養センターはまなす温泉裏側海岸)で開かれた。
 小樽・余市・札幌など近郊の幼児から大人までの陶芸愛好家らによる、約250点の土器や器・壺やオブジェなどの作品が、砂浜で野焼きされた。
noyakimaturi1.jpg 同祭りは、1997(平成9)年に始まり、ほぼ毎年開かれ、今年で18年目を迎えた。今年は雨の心配もなく決行された。
 同祭りの重要人物で審査員を務めていた中村小太郎氏(故岡本太郎の弟子)が、今年の春に亡くなり、その追悼も合わせて行われた。
 会場には、作品を提出した人やその家族、関係者ら300名が集まり、周辺にテントを張り泊まりがけで参加。
 野焼きは、窯を使わず、砂浜に幅2.5m・長さ18mの砂を盛り、築堤を作った中に、粘土で自由な発想で製作した作品を並べ、薪を焼べながら火を絶やさないように見守り、深夜の12:00に消火し、その状態のままで朝まで放置して冷やし完成させる。
noyakimaturi2.jpg 18:00に、縄文時代を意識して、弓錐(ゆみぎり)で火起こしが始まった。来場者が取り囲んで見守る中、30分以上かかってやっと火が起きた。火種をたいまつに移し、野焼き場所に点火。パチパチと火の粉が舞い、大きな炎が作品を包み込んだ。夕暮れとともに幻想的な光景となっていった。
 エゾシカの革やヤギの革を張った太鼓など、北海道のオリジナルな太鼓を使用し、演縄文太鼓演奏者3名による奏会が開かれた。普段、聞き慣れた太鼓の音色とは違った、縄文時代を思わせる不思議な音が浜辺に広がり、来場者は、ゆったりとした時間を過ごしていた。
 引き続き、「アンガソ」のライブも開かれ、ノリの良い曲に合わせ、踊ったり歌ったり、楽しんでいた。
 常連となる北海道芸術デザイン専門学校クラフトデザイン専攻の1年生17名と2年生6名が、それぞれの思いで作品を製作し野焼きに参加した。

 1年男子4名は、「昨年まで審査員を務めていた中村さんは、岡本太郎の弟子ということで、岡本太郎の作品を意識して真似てみたり、玉ねぎをモチーフにしたもの、月をイメージした壺、縄文土器を作った」と話し、「明日になって上手く焼けているか楽しみだが、割れていないか心配している」と話した。
 小樽縄文人の会代表・前田隆護さん(アート工房開拓舎主宰)は、同工房から大人38名・子ども24名が参加し、縄文模様や形に則り、土偶や置物・オブジェなど約80点を提出。前田さんは、「オリジナル作品を作り、思いが形にできればと思う。ここで縄文人に思いを馳せて、楽しい音楽を聞きながらみんなで楽しむことは、縄文人の精神に合っている」と話した。
 9日(日)は、9:00から同会場で、作品の表彰式が行われ、野焼きされた作品は、8月22日(土)〜23日(日)に、小樽運河プラザ(色内2)3番庫ギャラリーで開かれる「おたる縄文の集い 縄文のこころ 絶やすまじ」で展示される予定。
 よいち縄文野焼き祭り案内
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