9月1日防災の日 大規模災害に備え合同訓練

 9月1日は防災の日。関東大震災が発生した日にちなみ、1960(昭和35)年に制定し、毎年、各地で訓練を実施している。
 小樽市では、色内ふ頭(色内3)を会場に13:00から、小樽市防災会議が主催して、大規模な訓練を行った。
0901bousai1.jpg 大規模災害に対する各関係機関相互の協力体制の強化と、防災技術の向上及び市民の防災意識の高揚と防災知識の普及を図ることを目的としている。
 訓練には、北海道開発局小樽開発建設部・小樽海上保安部・財務局小樽出張所など32機関から338名が参加し、車両40台・船舶7隻・ヘリコプター2機が出動した。
 「9月1日13:10頃、北海道北西沖を震源とする推定マグニチュード7.8の地震が発生。小樽で震度7と発表。この地震の発生により、『津波警報』発令。陸上では木造家屋が倒壊、海上では津波の影響で船舶から重油流出と火災が発生。ガス管・水道管・電話線などのライフラインにも重大な被害が発生している」と想定して、13項目に分け、本番さながらの訓練を実施した。
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 消防防災ヘリコプターが会場上空に現れ、建物屋上に残された人の救出訓練では、上空のヘリコプターからロープを使い、消防隊員が屋上に降り、救助者とともにヘリコプターに引き上げた。
 小樽市社会福祉協議会・小樽ボランティア会議・東小樽地区連合町会により、レスキューキッチンによる炊き出し訓練では、豚汁200食を手際良く調理した。
 水道局と小樽市管工事業協同組合は、地震による水道本管の断水を想定し、訓練を実施。仮設給水栓を設置し、市民へ水を配給し、臨時給水所を設置した。
0901bousai3.jpg 土砂災害関係機関合同訓練では、地震による土砂災害で交通障害及び負傷者が多数発生したと想定し、10の関係団体が参加して行われた。放置車両の移動では、後部座席の窓を割り、サイドブレーキを解除し、特殊なアタッチメントを装備してショベルカーにより車両を撤去。
 日本赤十字社小樽地区の16名は、想定された軽傷者や頚椎骨折の重傷者に、三角巾やパンスト包帯・ダンボールを使った応急手当を行い、日頃の訓練の成果を発揮した。ガス供給停止訓練や低圧発電機車による応急送電訓練、NTT電話回線復旧訓練も行われた。
 北後志・岩内・寿都地方・羊蹄山ろく・石狩北部地区消防組合消防本部も応援のため集結した。
0901bousai4.jpg 津波の影響で船舶から重油が流出した訓練では、オイルフェンスを海上に張り、吸着マットにより回収、海上保安部巡視船から放水し攪拌処理作業を行った。
 最終項目の船舶火災訓練・ドクターヘリ運用訓練・海中転落救出救助訓練では、船舶火災で取り残された人をはしご車で救助し、海中転落者も救助しドクターヘリで搬送。消防車両が一斉に放水し、船舶火災は鎮火。すべての訓練が無事終了した。
 小樽市防災会議・森井秀明会長は、「市民が防災に寄せる期待や関心は、東日本大震災以降、非常に高まっている。災害はいつどこで発生するか予測は困難。常に最悪の事態を想定し、様々な災害に対する危機管理に備えた体制の充実強化が必要となる。市民の皆さんの安心安全を確保するため、今後も相互の連携を密にし、様々な災害に備え、日頃から避難体制に万全を期してもらいたい」と講評を述べた。
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