盲導犬の"バリアフリー教室" 最上小4・5年生


 小樽市立最上小学校(最上1・若林晋校長)の4・5年生78名を対象に、10月22日(木)10:40からの3時間目を利用して、ボランティア活動普及事業の一環「バリアフリー教室」が開かれ、視覚障がい者が外出する際に安全に目的地に誘導するための訓練をされた盲導犬について学んだ。
modoken1.jpg 子ども達に、障がい者に対する理解とボランティアの心を育むことを目的に、同校と国土交通省北海道運輸局が主催して開かれた。
 会場となる同校・体育館に、講師の公益財団法人北海道盲導犬協会指導部・長谷川満さんが盲導犬ユカ(2歳)と共に登場した。
 ユカは、ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーを合わせた雑種。盲導犬には任務に忠実で賢くおとなしいことなどの条件が求められ、ユカは、おとなしすぎるために盲導犬にはなれなかったため、盲導犬のPRを仕事としている。
 長谷川さんによると、北海道には盲導犬55頭がおり、札幌市は19頭で、現在小樽市にはいない。全国では1,000頭ほどが登録している。高齢者や体の不自由な人も含めて、目の不自由な人は31万人で、その内、1,600〜3,400人が盲導犬を必要としていて、盲導犬の数が足りていないのが現状。子犬を預かり訓練を行うが、しっかり歩いて誘導できることが重要な要素で、盲導犬になれるのは3割ほど。
modoken2.jpg 担任の先生がモデルになり、視覚障がい者が使用する白杖や盲導犬以外の方法としての手引きの方法を実演しながら説明した。
 また、杖との違いを比べながら盲導犬の仕事について解説。杖は左右に振って障害物を確かめながら歩行できるが、まっすぐは難しく、盲導犬は障害物を避けて歩くことができる。階段は1段目に差しかかると足を止めて教えるなど、目的の場所へ誘導することができる。
 体験コーナーでは、各学年2名ずつが代表して、目隠しをして盲導犬と一緒に歩行体験をした。首にはリード、背中にはハーネスと呼ばれるハンドルのついた胴輪を着けた盲導犬が建物側に立ち、歩行者はハンドルを持ち横に立って、「ユカOK」で歩き出した。
 コーンなどで作った障害物を避けて、歩行者を誘導して前へ進んだ。その様子を参加者全員で見守った。
modoken3.jpg 「街で盲導犬に会ったからといって、話かけてはいけない。仕事に集中できなくなるため、見守って応援してもらい」と、注意事項を話した。
 その後、質疑応答があり、犬の種類や大きさ、子どもでも使えるのかなど、活発な質問が飛び交った。
 最後には、会場の全員と盲導犬とふれあいの時間が持たれ、子ども達はそっとユカに触れてみた。松橋亮太君(4年)は、「大きくておとなしくて安心する盲導犬で、目が不自由な人を盲導犬が誘導するなど沢山のことを知った。盲導犬とふれあって楽しかった」とお礼の言葉を述べた。長谷川さんとユカに温かい拍手が贈られた。
 同校5年生37名は、7月6日(月)に、北海道運輸局の協力で、新日本海フェリーのバリアフリー融合船「ゆうかり」の船内で、車椅子体験などのバリアフリー教室に参加している。
 北海道盲導犬協会HP