小樽・ダニーデン姉妹都市35周年 写真展同時開催


 小樽市とダニーデン市(ニュージーランド)は、1980(昭和55)年に姉妹都市提携を結び、今年で35周年を迎えた。
otaru-dunedin1.jpg その節目を記念して、両市の近代化の歩みを同時に見る「小樽・ダニーデン姉妹都市写真展~坂と港の街のあゆみ」を、11月2日(月)から15日(日)まで、両市が同時に同じ内容で開催している。
 両市は、湾が広がり丘がせり出し坂道が多いなど地形も似ていて、共に150年ほど前に移民の入植により街並みが作られた。また、小樽市はニシンで、ダニーデン市はゴールドラッシュにより街が発展するなど、両市は同様の歴史背景を持つことが分かり、それに関連した写真を集め展示している。
 小樽市では、小樽市総合博物館の協力を得て、1880年〜1930年代の絵2枚と写真28枚を提供し、運河プラザ(色内2)3番庫ギャラリーに展示。
 一方、ダニーデン市では、トイトゥ オタゴ開拓者博物館(ダニーデン市)の協力で、1840年から20世紀初頭の絵1枚と29枚の写真を提供。ショッピングモール「ウォール・ストリート・モール」で展示。両市が、30枚ずつ提供し合い、同じもの60枚を展示している。
 記念式典に合わせ、小樽市ニュージーランド協会西條文雪会長をはじめ、森井秀明市長、横田久俊市議会議長、同協会会員ら使節団32名が、10月31日(土)から11月7日(土)まで、ダニーデン・クイーンズタウン・オークランドの3市を訪問するツアーに参加している。
 同写真展は、11月2日(月)日本時間7:30に、ダニーデン市が先に、デイブ・カル市長をはじめ、西條会長ら一行が写真展会場で閲覧している様子が小樽に届けられた。
otaru-dunedin3.jpg 小樽市では、11:30から写真展がスタート。同館石川直章館長から、順路に沿って60枚全ての解説があった。
 ダニーデン市の提供の最初の1枚目は、フランス人ルイ・ル・ブルトン画家による1840年のオタゴ湾が描かれた絵で、捕鯨漁と海運業の規模が伺えるもの。オタゴとは、オタルナイと同じで先住民の言葉を地名として使用している。
 1848年には、スコットランドから入植者が入り、小樽より30年ほど早い入植となる。1858年のダニーデン中心部「ベルヒルの丘」から干潟を望むオタゴの写真では、小樽の水天宮周辺の写真と似ていることを上げ、1860年代の街並みは、丘がせまり坂の多い街で、ダーニーデンを代表するファーストチャーチは、3枚も紹介している。
 ダニーデンは捕鯨、小樽はニシンで栄え、もうひとつの共通点となる鉱物は、ダニーデン郊外に金鉱が見つかり、小樽は石炭の運び出しをする商業港となった。ゴールドラッシュはさらに輪をかけ急速な人口の増加と街づくりが進んだという。
 石山を削り街を作った光景の画像では、小樽の石山の開拓風景と酷似し、20年ほどダーニーデンが先を歩んでいた。
otaru-dunedin2.jpg 他にも、現在の中心部オクタゴンの初期の画像や、ベルヒルの埋め立てが進んだ画像。1860年2番目にできた小学校の画像もあり、教育は重要な問題と捉えていた。
 観光名所の画像では、1873年のファーストチャーチやメインストリートのジョージストリート、1860年に作られたロスクリークの水源地の取水塔は小樽浄水場に似ていて、ニュージーランド最古のもの。最後は、バグパイプバンドの画像で終わっている。
 小樽市の画像では、1880(明治13)年の潮見台の丘から見た風景画で、ダニーデンの絵の帆船に対して北前船が描かれている。明治初期の手宮の海岸の風景では、奥に幌内鉄道建設の工事が見え、入船川河口の画像やニシン漁で賑わう忍路や小樽湾内の様子。
 ダニーデンのゴールドラッシュに合わせ、小樽では、石炭の積出風景や手宮駅構内の貯炭場、手宮の高架桟橋。大正初期の水源地建設。
 街並みの変遷では、銀行街や花園のデパート街が映し出されている。手宮高架浅橋を走る蒸気機関車しずか号や朝里周辺を走る機関車、1935(昭和10)年撮影の色内銀行街の賑わいで締めくくっている。
 「貿易関連で姉妹都市となったが、交流を重ねるうちに歴史などからも類似性が多く、お互いの当時の街を見ることはとても面白い」と石川館長は語った。
 小樽・ダニーデン姉妹都市写真展~坂と港の街のあゆみ
 11月2日(月)〜15日(日)9:00〜18:00
 小樽運河プラザ(色内2)3番庫ギャラリー・入場無料
 小樽・ダニーデン姉妹都市写真展
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