ガラス瓶の魅力! 運河館でギャラリートーク


glasbttle1.jpg 小樽市総合博物館運河館(色内2)で開催中の、運河館トピックス展「ガラス瓶からみた昭和のくらし」は、小樽で見つけたガラス瓶47点を展示紹介するユニークな企画展となっている。
 そのガラス瓶を集めたコレクター大原昌宏氏を講師に、11月14日(土)13:30から、展示会場で、ギャラリートーク「ガラス・コレクションの魅力と楽しみ」が開かれた。市民ら30名が参加し、ガラス瓶を集めた動機や収集方法などを語り、ガラス瓶の魅力を伝えた。
 大原氏は、北海道大学総合博物館教授で昆虫学が専門。1991年に小樽市総合博物館学芸員として勤務していた頃、昆虫採集に出かけた小樽市内の森の中で、足元に光る物を見つけ、それが青くて綺麗な瓶(気付け薬の瓶)だったのをきっかけに、25年前からガラス瓶を収集している。
glasbttle2.jpg これまでのコレクションは、明治の終わりから昭和30年代までの、歯磨き粉や靴墨、スポイトの要領で使用する目薬、気付け薬、乳液や整髪料などの化粧品、砂糖菓子が入っていたぺろぺろ、ニッキ水、味の素などに使用された瓶など約400点。これらすべてを同館に寄贈し、トピックス展では、より選りの47点を展示している。
 瀬戸物の茶碗などは割れて発見されるが、瓶は使い捨てだったこともあり、完品で出土する物が多く、商品名などエンボス(浮き彫り)加工が施され、シワや気泡、胴すじなどが見らるなど、集めていくうちに分かってきたことが多くあった。
 雪解けで表面の土が流れ、草の少ない花見時期の春先に見つけやすい。2004年には台風が上陸し、瓶の豊作年で、泥まみれになった瓶を沢山見つけることができたという。
glasbttle3.jpg 泥まみれのガラス瓶を洗うのも楽しみのひとつで、1ヶ月ほどかけて丁寧に泥を取り除くうちに文字が見えてくる。古いガラス瓶の魅力は、拾う・洗う・眺める・集めて楽しめることだそうだ。
 レア物では虹色に見えるガラス瓶や、今ではプラスチックの容器が主流だが、当時はガラス瓶に入っていた日用品などから、当時の生活を知る貴重な資料になる。ガラス瓶には沢山の魅力が詰まり、コレクションすることで学術的価値が高まると、にこやかに語る大原教授のガラス瓶の世界に、来場者は引き込まれ、熱心に聞いていた。
 終了後、大原氏に質問するなど、ガラス瓶に纏わる会話が和やかに続いていた。
 運河館トピックス展「ガラス瓶からみた昭和のくらし」12月28日(月)まで9:30〜17:00
 小樽市総合博物館・運河館(色内2)第1展示室・入館料のみ