副市長候補に上林教育長が急浮上!就任要請を受諾


 新任森井秀明小樽市長の女房役の副市長人事が、5月・6月議会で見送りが続き、9月議会でようやく市のOB部長を提案したが否決され、混迷を続ける中、12月議会開会中の最終段階に入り、今度は、上林猛教育長(67)に就任の要請をし、上林氏が受諾したことが分かった。 関連記事1 関連記事2
 市側は、出来れば議会最終日(22日)にも副市長選任案件を上程したいとしていたが、開会中の議会では、市長答弁をめぐり、紛糾に次ぐ紛糾を続け、市長と議会の対立が先鋭化しており、二進も三進もいかない状況が続き、到底、上程は困難な模様だ。
 18日(金)の議会では、「この件の話は一切出なかった」としており、結局、12月議会でも見送られ、市は来年1月の臨時会での上程を目論んでいるが、市長の議会対応次第では、まだ情勢は不透明だ。
1218kanbayashi.jpg 副市長就任を要請された上林猛教育長(67)は、江差町出身。青山学院中退。道立栗山高校事務職、道教育庁職員、後志教育長を経て、2011(平成23)年6月から小樽市教育長。(略歴参照)
 上林氏は、18日(金)、森井市長の要請を受けた経緯を次のように語った。
 「森井市長から12月8日に副市長の就任について、”ぜひお願いしたい”との話があり、私は、市長が本心から私が良いと思っているのか、本当に私を必要としているのか、市長の今後の方針などを聞かなければと思い、12月12日(土)に、改めて市長と会い、2人で4時間ほど話し合い、市長の考え方、私の考え方のすり合わせを行った。
 市長は、自分としてはやりたいことがいっぱいあるが、どうも役所の中で部下の職員との信頼関係がうまくいっていないので、相談役・アドバイザー役がいないこともあって、自分の意見をどう判断して行政の段取りをつけるか分からないところがある。
 人事異動で部下とギクシャクしていることもあり、疑心暗鬼になっている。職員との対応や議会との対応をスムーズいくよう力を貸してほしいとの話があり、私のこれまでの行政経験から、小樽のためにお役に立てることもあるかと思い、”分かりましたお受けします”と答えた。
 私は、市政全般については精通してはいないが、予算財政・人事などは、北海道教育庁の企画管理部総務課・財政課で携わってきており、貞村前副市長とも道で良く知っており、道とのパイプもあり、行政は同じなので、私がやれる部分も十分にあると思っている」と話した。
 森井市長の、上林教育長での副市長選任が明らかになったことに、市議会各会派はさまざまな受け止めをしており、情勢は流動的だ。
 「総務部長から、副市長の案を出したい旨の発言はあったが、我々としては、道新を見てそういう候補が挙ったと知った。今の段階では、新聞紙上だけでの話。人物的に、現在教育長をなされ、瑕疵があるとかコメントはない。これから、市長がどんな形で提案されるのか、今後市政運営でどのような手腕を発揮されるのか、副市長を受けるとした上林教育長の話を聞かなければ、判断材料がない状況だ」(自民党・山田雅敏議員)。
 「人格・見識、そういった部分で何も問題がなく、異議があるわけではないが、まだ提案はされてないが、市長の話の持って行き方など、非常に納得できない。議会の中で、我が党のみならず、人選ができたのかと聞き、代表質問でも具体的なやり方、提案の仕方、議会での協議の仕方の部分まで踏み込んで、どうなんだと聞いたが、否定的で”決まっていません”と答えていたのに、唐突に”決まりました”との出し方は理解できない。上林さんには、私どもは異論はない」(公明党・斉藤陽一良議員)。
 「本人が受けていただければそれに越したことがない。手続・手順が拙速すぎると、議会の状況からも、慎重にしたいとみんなで話した」(民主党・林下孤芳議員)。
 「議会が荒れてる状況で、決まっていない答弁を議会でしているので、最終日に人事案を出しても紛糾してしまうのでは。今の状況で出すのは得策でない。せっかく人格者で適任者なので、しっかり周りを固められるようなやり方をしてもらいたい。市政を正常化するためには、上林さんは適任者だと思う」(新風小樽・安斎哲也議員)。
 共産党は、「この件についてまだ話していない」とのことだが、市教育の責任者として、4万筆以上の賛成がある市民プールを後退させ、小中学校の統廃合を推し進めたなどの政策判断からすると、同意し賛成することは難しい立場としている。
 市議会会派別名簿
 今回、副市長候補に上林教育長が急浮上したことで、市議会各会派は最終態度の決定を迫られることになるが、議会開会中の8日(火)に就任要請し、12日(土)に市長と上林教育長の間で合意が終わり、既に決まっていたにも拘らず、議会質疑では、「何も決まっていません」との市長答弁が繰り返されていたことや、議会に何の音沙汰もないまま、新聞辞令だけが一人歩きしている状況が露になったことで、今回の森井市長の人事にも暗雲が立ち込め、すんなりとはいかない情勢だ。
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