稲田稔さん初個展! 水彩・油彩39点


inadaten1.jpg 株式会社小樽観光振興公社の駐車場に勤務する稲田稔さん(74)の初めての個展が、
2月24日(水)から28日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)多目的ギャラリーで開かれている。
 14年前の作品から1ヶ月前の最新作まで39点を展示し、来場者を楽しませている。
 60歳の定年退職後に、同駐車場に勤務し休日を利用して、好きな絵を描き始めた。基礎をしっかり学ぼうと、市内の画家・藤田勇一氏に3年間指導を受けた。
 市内の運河や祝津、塩谷、忍路へ写生に出かけたり、かぼちゃやじゃがいも、カジカなどの静物、その時々に描きたいと思ったものを、豊かな感性を光らせ作品にしている。
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 2012年に描いた「豊井からみた祝津漁港」を、同社の観光船乗り場に掲示したところ、「これは素晴らしい」と評判になり、同社の山田厚代表が稲田氏の同僚達と、稲田稔個展実行委員会を発足させ、個展の開催に至った。
 稲田氏は、小樽市塩谷の出身で海を見て育ち、市内の海や山を独自の感性で描く。描きたい風景をスケッチブックに写生し、自宅に戻ってから画用紙に描き、何度も現場に通っては頭に入れて、自宅でこつこつと仕上げる。何度も通うことができる市内の景色をモチーフにした絵が多いという。
inadaten3.jpg 空の色や海の色も様々で、その時々に見たままを描き、鋭い観察力が1枚1枚に感じられる。余市川の絵では、川の流れを上手く表現できず苦労したことや、真冬の運河の水面のどんよりした色の話など、気さくに語ってくれた。
 「まもなく 75才」と題して、自分の後姿を鏡に映し描いた作品は、これまでの人生で使ったことのある全部の色を使い表現。明るい部分はこれからの時間を大切にしたいという思いが込められている。
 有幌町やフゴッペ海岸、忍路湾や小樽運河などの作品が会場に並び、来場者は、見覚えのある風景に親しみを感じながら鑑賞していた。
 稲田氏は「絵を見て喜んでもらい、とても嬉しい」と笑顔で話した。
 稲田稔個展 2月24日(水)〜28日(日)10:00〜17:00(最終日16:30)
 市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー・入場無料