人口減少の歯止め策 商工会議所が市へ答申書


 小樽商工会議所(山本秀明会頭)は、人口減少対策に係る提言・要望をまとめた答申書を、小樽市へ提出した。
 同所は、人口対策に効果的な施策を検討するために、平成26年10月に「人口減少対策特別委員会」(佐林史明委員長)を設置し、主に雇用機会の確保・創出の観点で、具体策を検討してきた。様々な意見交換の中から小樽市に対する施策・提言等と、同所が独自に取り組む事項を取りまとめた。
otarucci1.jpg 答申書の手交式が、3月30日(水)14:00から、市役所(花園2)2階市長応接室で開かれ、山本会頭をはじめ、同会・佐林委員長・斎田義孝副会頭・西條文雪副会頭・森井秀明小樽市長・上林猛副市長らが出席し、山本会頭から森井市長へ答申書を手渡し協力を求めた。
 小樽市の人口は、昭和39年に20万7,000人をピークにその後、減少を続け、平成26年に12万5,000人となり、ここ10年では毎年2,000人ずつ減少し、老齢人口は35%と高い。
 同所は、少子高齢化による人口減少は、経済規模の縮小や既存中小企業の活力低下、企業の市外転出、廃業等を招くとし、今後進めるべきは、「地方への新しい人の流れをつくること」で、地方における安定した雇用の創出に向けた取り組みを着実に進め、経済の好循環の確立と産業活性化による人口減少克服が必要と考えている。
 山本会長は、会頭に就任時から一番の課題は人口減少と考え、同所内部だけでなく、若い人の意見を取り入れながらプロジェクトを作り、同所だけでは力不足の部分を行政と一体となり全市的に様々な人が参画し、できるだけ推進してもらいたいとの思いを述べた。
 佐林委員長から答申書の概要の説明があった。
 答申書(A4・39ページ)の小樽市に対する提言・要望は、小樽市総合戦略の拡充、既存企業の創業者に対する支援制度の拡充、歴史的建造物等の保全と活用に対する支援制度の拡充など11項目を掲げた。行政と協働して取り組む事項は、小樽観光戦略構想の推進、キャリア教育実施のための協議の場の設置など4項目。
otarucci2.jpg 同所が中心となって取り組む事項は、後志の一次産業と小樽の二次産業の連携推進、小樽商工会議所の創業支援サポート連携事業の推進、中心商店街振興策の推進、第3号ふ頭基部と北運河の観光拠点整備に向けた啓発事業の推進、事業継承等相談窓口の設置の5項目を盛り込んだ。
 これを受けて市長は、「小樽市は急激に人口が減少し、就任以来、人口減少にどう歯止めをかけるか認識し、歯止めをかけることが市民全員の思いだと思う。答申書は、庁内全体に見るよう呼びかけ、人口対策会議等におても配布し、内容を検討していきたい。ひとつひとつ重要である認識を持ち、先日議会で可決いただき予算化されたので、いくつかは動き始めることができると思う。小樽や後志の魅力は素晴らしく、本来ここまで急激に人口が減少するような地域ではないと感じている。様々な地域の力を結集し、個性を生かすことができれば、改善していく流れになると期待している。答申書においての内容はもちろん、様々な取り組みを行い、色々な場面で力添えをお願いしたい」と応えた。
 山本会頭は、「窓口はどこで、どんな形で進められるのか早急に知らせてもらいたい。できるところからスタートさせたい。国に対する要望や予算はすでについているところもあり、早く進めること。建物の老朽化も進み一度にできないので、的を絞って進めたい」と強く要望した。
 国からの補助金を活用して、昨年10月11日〜12日に開催された知志食しりべしローカルフードチャレンジを、今年も継続させるために2,000万円の補助を申請中で、4月中旬に採択されれば、8月中に実行したいとした。
 答申書概要