博物館GW特別企画 ボランティアによる展示解説会


 小樽市総合博物館(手宮1・石川直章館長)は、GW特別企画として、博物館ボランティアによる展示解説会を、5月3日(火)から5日(木)までの各日11:00からと13:00から、初めて開いている。
museumguide1.jpg 初日3日は、多くの来場者で賑わう中、11:00に、鉄道に興味を持つ10名が同館・本館1階のしずか号前に集まった。
 博物館ボランティアとして日頃活躍する岩崎迪さんが、解説を担当した。岩崎さんは、小樽観光大学校「おたる案内人」のマイスターで、小樽の歴史や文化などに大変詳しく、様々な機会で知識を活かし活動している。
 同館には、約50両の車両が展示され、その中でも同館のメインホールに展示中の蒸気機関車「しずか号」について解説した。
museumguide2.jpg 石炭を運ぶために、北海道では小樽が最初で、その開通に合わせアメリカから輸入された車両のひとつが「しずか号」。明治13年、アメリカ人ジョセフ・U・クロフォードが、小樽から札幌までの線路36kmを7ヶ月で作ったと言われている。小樽の上陸した場所に、今でも残されている。
 煙突とカウキャッチャー(車両前部にある牛避け)に特徴があり、警笛ではなく鐘を鳴らすことなどについて解説した。並んで展示している一等客車「い1号」については、地元の大工が復元したもの。
museumguide3.jpg その後、アイアンホース号に乗車して、手宮駅では方向転換を見学した。時間に余裕がある参加者には、延長して解説会が続けられた。
 機関車庫(1号・3号)・転車台・危険品庫・貯水槽・擁壁の5つの鉄道施設は、現在も当時からあった場所にあることから、国の重要文化財に指定されていることや、機関車庫3号に保存されている、現存する国産の機関車の中で一番古い地元の人が作った蒸気機関車「大勝号」や、キハ031の「レールバス」、屋外展示のロータリー車やラッセル車についても解説があった。
 参加者は、鉄道施設や車両の解説を初めて聞き、現存する中で最古だったりとそれらの素晴らしさを、改めて実感していた。
 市内60代の男性は、「初めての展示解説会が開かれ、とても分かりやすく良かった。鉄道ばかりではなく、他の催しにも参加してみたい」と話した。
 なお、展示解説会は、4日・5日も各日11:00と13:00に実施する予定。申し込みは不要。